人生は草「おお、哲子」
哲子「また人生は草だ」
人生は草「今日は嫌気がさしたよ」
哲子「貴方はいつもそうでしょ」
人生は草「哲子はどうなのさ」
哲子「楽しく自由に暮らしてるからわかんないや」
人生は草「ぬぬ。羨ましい限りだ」
哲子「で、今日も愚痴を吐きたいんでしょ」
人生は草「察しが良いですな」
哲子「忙しいから早くして」
人生は草「わかった、哲子。電車で聴いたアナウンスのことなんだけど」
哲子「貴方、アナウンスまでにかみつくようじゃこの先が心配だよ」
人生は草「まあいいじゃないか。乗務員さんがね、駆け込み乗車の人にこう注意したんだ。遅れの原因になるからおやめください、とね」
哲子「危ないし、それのどこがいけないのかさっぱりわからないんだけど」
人生は草「僕はこう思うわけだよ。つまり、理由として電車の遅れを持ち出しているわけなのだ」
哲子「それのどこが駄目なのさ」
人生は草「僕は前に話したの覚えているかい。1分遅れただけで謝る駅員さんはどうかしていると。遅刻を絶対に許さない社会があるんじゃないかと」
哲子「そんなのいちいち気にしてたら生きていけないよ」
人生は草「気にせずにはいられないのだよ。なぜここまで遅れることを気にかけるのか。もはや、全ては時間通りに事が遂行されるべきだ、と思うのが当たり前の社会になっていないだろうか」
哲子「それはあくまでも仕事上の話だよね。べつに友達との約束はそうじゃないし」
人生は草「僕からすれば、お金を入れたらジュースが出てくる自動販売機にしか見えないのだよ。つまりお金が動力となって人はその都度機械化される。この世は動く自動販売機の集まりなのだよ」
哲子「アイスクリームの自動販売機みるとたまに食べたくなるよね」
人生は草「いやそうじゃなくて、、、まったく。哲子には敵わないや」