はてなブログ大学文学部

読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

欲と対称性

「欲求を満たす」というフレーズはなんとなくピントが外れていると思うわけです。 というのも、満たすべき欲とは何なのか。満たすための行動は何なのか。 これが、寝る、食べる以外の話になると事はそう単純ではないことが分かるわけです。 「体を動かしたい…

環境問題と囚人のジレンマ

議論し尽くしたところで環境は変わらない。テクノロジーのみが環境を救う。 僕も同意する。 個人的には良い意味で裏切られたい。 囚人のジレンマと同じであると思われる。 つまりは、お互いがお互いを信じきれないでいる。 そしてお互いがそれぞれ有利と思わ…

秩序・共鳴・ストレス

昔、音が鳴っている棒に別の棒を近づけると、その振動が棒に伝わるという面白い理科の実験があった。 この原理はストレスという枠組みにも応用できると考えられる。 それを説明する為に、美について書いていく。 美しい景色を見て何も思わない人はおそらくい…

直感 ≒ 非線形的ホリスティックな反応

こちらに付け加えたい。 nainaiteiyan.hatenablog.com この本では直感に関しても言及されていた。 人は危険を察知した場合、40ミリ秒以内に論理よりも本能が働く。 つまり、論理は万能ではない、というお話を量子論にまで遡って説明されていく。 アリストテ…

ジェームズ・ラヴロック『ノヴァセン』読了

久々に夢中になったサイエンス系の本である。 新しい発見の連続であった。 以下、記憶するためにまとめながら感想を書いていく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・生命体の活動が地球の冷却に寄与していた もし生命…

「進化の条件」としての利益

トマス・ニューコメンという人物が蒸気機関の原型を発明し、その後産業革命に応用されていく。 そして近代化は始まり現代社会へと発展した。 この一連の流れには「利益」が前提となっている。 利益のないものは基本的に消費されていくか、捨てられていくかで…

ウェルビーイングを気にしすぎてもいけない

ウェルビーイングとは、端的に言えば「人生の充足感・幸福感」である。 しかしトルストイが言ったように、幸せという「形式」が存在しているように僕は思う。 笑顔に溢れる毎日、やりがいのある作業に尽力できる毎日等。 幸福というものほど曖昧なものはない…

文系と理系の弁証法

作家の佐藤優氏によれば、海外の一部では「文系」「理系」といった区分けは存在しないとのこと。 それは、GHQがどうやら関係しているみたいだ。 そして当事者のアメリカは現在学問の最先端にいる。 文理問わず、相乗効果を狙っていくべきと言える。 数学は苦…

横断的記述・社会心理学・うつ病

こちらのつづき nainaiteiyan.hatenablog.com 「社会的うつ」という言葉がある。 国際的には厳密な定義付けはないと思われるが、社会的な原因で発病するうつ病のことを指す。 参考文献:奥田祥子『社会的うつ』晃洋書房2020年 しかし、原因が社会的なものに…

肝心な情報は能動的に調べなければ掴めない。IQとEQに関するお話

こちらの本と記事のつづき nainaiteiyan.hatenablog.com 本書によれば、EQはIQの要素を取り除いても、高ければ学業の成績が上がる、と書かれている。 つまりは、IQが高い人のなかにもEQが低い人が存在することを意味する。 しかしながら、IQとEQの相関性につ…

積分で抽象から具体へ

y = 2x この1次関数について考える。 この1次関数をAとする。 また、 y = 0 この直線をBとする。 Aの式に、aをxに代入し、 x = a ・・・・・C ABCに囲まれた三角形の面積について考える。 訂正: ✕ y = 1/2x二乗 ○ y = x二乗です。凡ミスです。 算数で計算す…

トートロジー的記述。横断的記述。

非認知能力 (grid、好奇心等) というものが近年話題になっている。 端的に言えば、IQと言われるもの以外の能力である。 参考文献:小塩真司『非認知能力』北大路書房2021年 例えば、自己制御力が年収や健康に影響を与えると本書には書かれている。 端的に言…

岡本太郎「死に対面する以外の生はない」

『自分の中に毒を持て』青春出版社 より 人は、大災害の後に度々、 「生き方が変わった」 「人生が変わった」と言う。 僕は感じた。 生が生らしくあるためには、 逆説的には死に近づかなければならないのだと。 例えば、何をしていいかわからなくて悩む若い…

大人になってからの微積 (難しい話一切なし)

高校の頃はただ公式を覚えて計算するというバカなことをやっていました。 そのため、基礎が無いので挫折するというお決まりのパターンです。 大人になってから、1から理解することの大切さを改めて感じます。 1なしに2はない。2なしに3はないということが、…

格上げされたネアンデルタール人

こちらの本を読んでいる最中です。 nainaiteiyan.hatenablog.com この本はわりと衝撃的で、がっかりすることばかり書かれているのですが勉強になります。 例えば近年までは、欧米の人はネアンデルタール人を「愚かな生き物」として扱っていたとのことですが…

哲学者とレイシズム

参考文献:アンジェラサイニー『科学の人種主義と戦う』作品社2020年 わりと衝撃を受けてしまいました。 どうやら、イマヌエル・カントがレイシストだったということみたいです。 僕は何故このことを見抜けなかったのか、と少し残念な気持ちです。 カントは…

目・2・注意

目は2つであることに僕は普遍的な意味を感じる。 何故3つではないのか。 それはおそらく認知機能と関連している。 人は同時に3つのことをやるのは難しいと思われる。 例えば、走りながら人の話を聞きながら数学の問題を解くことはできるのだろうか。 「注意…

自己犠牲と道徳について

自分を犠牲にすることは、自分を大事にすることなのだろうか。 自分を犠牲にしてまで相手に尽くすことは何を意味するのか。 身近な例を考える。 自分を犠牲にしながら介護をし続けるパターンを考える。 ヤングケアラーという問題がある。 学生が介護に時間を…

固執は物事の進行を妨げる。世の中のフラクタル構造

こちらのつづき nainaiteiyan.hatenablog.com こういう考え方は「アナロジー」と言われるらしいが、僕は相似、つまりは「フラクタル」であると常に思う。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 例えば、どこかに出掛ける…

回帰の技術。時間と空間。

本はデジタルで読むか、紙で読むか。 現代に課された問いである。 例えば持ち歩く場合。 質量0のデジタルは圧倒的に有利である。 紙とデジタルのメリットとデメリットはそれぞれの次元で複雑に絡み合う。 記憶に関しては圧倒的に紙のほうが強いのではないだ…

認知的忍耐力≒共感力

僕はそう考える。 忍耐力と言っても様々な種類があると思われる。 空腹を我慢する力、勉強を続ける力、イライラを抑える力etc. 共感力は、いかに相手の立場に立ち、いかに相手の話を文脈から理解できるかに尽きると思われる。 しかし話をじっくりと聞けない…

エントロピー・分離・テクノロジー・フラクタル構造

こちらのつづき nainaiteiyan.hatenablog.com 脳科学者の中野信子氏が、テクノロジーによって人間は人と人との交流が物理的に消えていき、個人化する趣旨のことを書いている。 僕はエントロピー増大と相似しているとみた。 つまりは、最終的に個人化するので…

姿勢・感性・内在化

大学生の頃印象的だったTEDトークを紹介したい。 大胆な姿勢を取れば気持ちに変化が生まれるというお話であった。 プレゼンターは女性の方だったと記憶している。 面接を前にして緊張したら、トイレで強気のポーズを取ってから行けば大丈夫、というお話だっ…

「キリが良い時間」と「マインドフルネス」は相容れない

昨日、さんま御殿で「キリが良い時間じゃないと作業ができない」という趣旨の悩みがあるという話が紹介された。 僕は完璧主義に陥っているとみた。 「キリがよくなければならない」という信念がある。 それは保守的であり、柔軟性に欠ける信念でもある。 一…

タイトル・マーケティング・パラレリズム

パラレリズム[ 英: parallelism] とは、平行関係、平行体といった意味をもつ。 数学的には、直線が決して交じることのない関係を示す。 広告ではキャッチコピーがとにかく大事である。 以前、noteのほうに書評を書いた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 人は平…

感情のミクロ的勢力均衡

感情を円環モデルに置き換える考え方がある。 今日、カフェで中国と戦争について熱く語っている若い男性がいた。 僕は、国際関係の話や軍事にはあまり関心がないために、何を話しているのかあまり理解できなかった。 大学で、勢力均衡の講義を受けたことを思…

ナッジ・ナッシュ均衡・利他・数学

こちらのつづき nainaiteiyan.hatenablog.com 例えば、 囚人のジレンマが典型的であるように、 個人の利益「だけ」を最大化することを目的とした場合、結果的に「非合理的」な結果になる。 つまりは、「だけ」においては「合理的」で、「二者」においては「…

最近、本屋で思うこと

特に、専門書コーナーで顕著なのは、分断に関する本、フェミニズムに関する本、格差を嘆く本が増えたことだ。 明らかに増えている。めちゃくちゃ増えている。(あくまで個人の感想) 僕は中立的に物事を見ていきたいので、嫌な感じがする本も読む。 視野を広げ…

考えるヒント30

本質主義・多層構造・パイの実 僕は「物事の本質」という言葉をこのブログで頻繁に使ってしまった。 「本質主義」という鋳型があるらしい。 その対極にあるのが「文脈主義」であるとのこと。 参考文献:Robert Stecker 『分析美学入門』勁草書房 2013年 本質…

ナッジと合理的な行動について語る

ナッジ [ nudge ] とは行動経済学の用語で、端的に言えば「望ましい選択を選んでもらうために後押しすること」である。 しかしナッジを巡って人々は対立するーーー。 肥満にたいして、制度的なアプローチでの改善を目指すか、それとも自由を尊重し、そのまま…