人生は草「お、哲子」
哲子「よく会うね、ひょっとして追跡してる?」
人生は草「まさか」
哲子「忙しいから早くしてくれないかな」
人生は草「察しがいいね、今日は時間と便利さについて聞いて欲しいのだよ」
哲子「へー」
人生は草「人は言う。便利な世の中になったねと。さて、その便利とは一体なんなのか。東京から大阪に1時間でいけることは便利かね?」
哲子「移動という無駄な時間が減るから便利なんじゃないかな」
人生は草「現在はあらゆる情報が光速で動く。哲子とのラインも秒で届く。これも便利かね?」
哲子「人生は草となんかラインしたくないから便利じゃないね」
人生は草「おいおい真面目に話してくれよ、、まあいい。これも一般的には便利ということなのだろう。さて、便利を手に入れた人間は何ができるようになったのかな」
哲子「うーん、余計なストレスがなくなるとか?ほら、ラインのおかげで待ち合わせが楽になったじゃん」
人生は草「なるほど。たしかにストレスは減るかもしれない。ところが世の中が便利になろうが絶対に速さが変わらないと思われるものがある。なんだと思うかい」
哲子「しらんわ」
人生は草「人間の思考速度だと思うのだよ。つまり、便利さとはあくまでも外の世界の話なのだ」
哲子「めんどうなことを機械にやらせる。それでいいんじゃないの」
人生は草「めんどうなことは機械にまかせることはできる。しかし、めんどうなことは機械にまかせるべきだ、と哲子は思っていないかね」
哲子「いや、普通でしょ。なんでめんどくさいことをわざわざやらないといけないのさ」
人生は草「僕はこう思うのだよ、つまり本当はやるべきことがあったとしても、それすらも人間は機械にまかせてしまうことによって人は思考までもが機械に吸収されていく。そう思わないかね」
哲子「しらんわ」
人生は草「まったく、、、哲子には敵わないや」