人生は草「哲子」
哲子「はいはい」
人生は草「僕は思うのだよ」
哲子「なにを」
人生は草「全知全能という言葉事態が虚構であると思うのだ」
哲子「なんで」
人生は草「世の中には答えがない問題などいくらでもある」
哲子「そんなの当たり前じゃん」
人生は草「僕はこの難問にある切り口をいれたい」
哲子「どんな」
人生は草「○○と考えるべきであると考えるべき、という具合に、メタ的に考えていく態度はどうだろうか」
哲子「なんか例を出してよ」
人生は草「わかった。じゃあ哲学ではよくある問いにしよう。我々は人を殺すべきではないと考えるべきかどうか」
哲子「ちょっと待って、なんか変じゃないかな」
人生は草「というと」
哲子「人を殺すべきでないと考えるべきでない、と考えるのは怖い」
人生は草「この問題においてはそう言えるかもしれないね。僕はこの思考法を「べきべき思考術」と呼びたい」
哲子「なにそれ」
人生は草「この二重のチェックによって他にもいろいろなことがあぶり出されるかもしれない」
哲子「なんかめんどくさいね」
人生は草「まあまあそう言わずに。ではこの問いはどうだろう。人は成果のみによって評価されるべきだと考えるべきだ」
哲子「なんかさ、おかしくない?」
人生は草「というと」
哲子「単純に、人は成果のみによって考えるべきだという命題で良いと思うんだけど」
人生は草「なるほど、良い点をついてくれた。しかしだね、さっきの「人を殺すべきでないと考えるべきかどうか」という問いは二重に「べき」を使っていても違和感がないように思えるのだよ」
哲子「もうつかれたわ、人生は草」
人生は草「はは、哲子には敵わないや」