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リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス』を読む

リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス : ヒトの進化と<自己家畜化>の歴史』NTT出版(2020年)読了

こちらを読み終える。 著作権の関係で、全ての章を要約することは控えることにした。 ただ、いままでの要約は全て自分の言葉で簡潔にまとめて書いているので、本書の「全て」を物語ることではないことに留意して頂きたい。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーー…

第十一章:能動的攻撃性

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 著者によれば能動的攻撃性( ≒ 計画的暴力)は善と悪のパラドックスを解くカギになるそうだ。 コーラント・ローレンツは、動…

第十章:クリストファー・ボームの説

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ボームは『モラルの起源』において人類は集団内の仲間の殺傷能力を恐れるように進化したという考えを示した。 ま…

第九章 : 2つの説

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自己家畜化について2つの説がある。 従順さは大昔から既に備わっていたとされる説。 もうひとつは大きな脳の副産物として従順さが備…

第八章:自己家畜化と処刑仮説

こちらのつづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 七章では処刑という制度が自己家畜化を説明し得る可能性が見出された。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー アメリカでは18世紀の後半まで死刑が横行…

第七章:ダーウィンの見解

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ホモ・サピエンスがネアンデルタール人より優れている点は「協調性」と「社会的学習能力」の二点とされる。 その協調性は「寛容性」によって影響を与えられているという証拠は存在する。 しかしな…

第六章:考古学的な裏付け

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ボノボはチンパンジーから進化した可能性が高いことが判明した。 では今のホモ・サピエンスはどのようにして進化していったのだろうか。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

第五章:チンパンジーからの進化

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ベリャーエフは、反応的攻撃性を抑える選択と家畜化について考えた。 著者は家畜化の定義をブルーメンバッハにしたがって…

第四章:自然淘汰は必ずしも動物に最適なデザインをもたらさない

こちらのつづきを読みすすめる。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 20世紀にダーウィンが解決させることのできなかった問題に、ロシアのベリャーエフという学者が答えを出す。 野性…

『善と悪のパラドックス』第三章 家畜化

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 二章では脳科学から暴力について考察された。 扁桃体は感情の抑制機能を司る。扁桃体がうまく機能しなければ感情は抑制されず暴力に繋がる。 また、大脳辺縁系がネットワークが活発な脳は感情の起…

『善と悪のパラドックス』第二章

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 人類学者によるフィールドワークが明かしたのは、人間はチンパンジーよりも、ボノボよりも攻撃性が低いことであった。 しかしながら、攻撃性は低いものの、戦争においては類人猿を遥かに上回る残…

リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス : ヒトの進化<自己家畜化>の歴史』NTT出版(2020年)を読む

まず第一章を読み終える。 ざっくりまとめる。 本書はチンパンジーとボノボの行動研究の知見や歴史学、生物学などから人間の善悪を考察する本である。 チンパンジーは一般的に攻撃性が著しく高いとされ、ボノボはそれと対照で穏やかとされる。 一章の結論と…