こちらのつづきを読み進めた。
七章では処刑という制度が自己家畜化を説明し得る可能性が見出された。
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アメリカでは18世紀の後半まで死刑が横行していた。
放火を行っても結果的に誰も死ななかったケースにおいても死刑された。
その後はカギを締めなくても眠れるくらいに治安が良くなった。
昔は世界中至るところで処刑が行われ見世物にされてきた。
ところが最近になるまで、少数民族における死刑制度の研究が進んでいなかった。
結論としては、少数民族においてでさえ死刑は行われていた。
そして、全大陸の至る民族で普遍的に存在していたことが分かった。
そのメカニズムは、暴君を阻止するための社会的な力学であった。
少数民族においては、ウッドバーンという学者がこう結論付けた。
「平等主義はボスの殺害によって保たれている」と。
これはのちに支持される。
著者は処刑仮説を支持する。
”時間の長さとその期間の世代数を考えれば、自己家畜化にかかわる進化は比較的ゆるやかだったはずだ。"P209
処刑には計画を立案する能力が必要である。
この説を説明するには言語の発達も同時に説明しなければならない。
著者によれば、今の水準のレベルに達したのは約7万年前とされる。
言語能力と自己家畜化には大いに結び付きがあると示された。
つづく