まず第一章を読み終える。
ざっくりまとめる。
本書はチンパンジーとボノボの行動研究の知見や歴史学、生物学などから人間の善悪を考察する本である。
チンパンジーは一般的に攻撃性が著しく高いとされ、ボノボはそれと対照で穏やかとされる。
一章の結論としては、比較的穏やかなボノボですら、人間よりも攻撃性を有するという帰結であった。
世界中のあらゆる部族において数少ない、国家の干渉をいっさい受けない無政府状態であったニューギニアのダニ族についての研究では、残酷な暴力行為があったものの、それでもボノボよりも攻撃性は少ないという結論であった。
集団という単位でみればそのような帰結になる。
その一方で、家庭内暴力に関してはしばしば人間も男性は攻撃性を示す。
この点についても、それでも他の類人猿の攻撃性には全く及ばないという。
以上が第一章のまとめである。
本書はルソーの性善説、ホッブズの性悪説を掘り下げる本であるが、タイトルの通り、人間は両方の性質を併せ持っているように見える。
ところが類人猿と比べると攻撃性は著しく低い。
「自己家畜化」というタイトルを鑑みれば、おそらく社会という観念的なものによって、人類の特性はなんらかの影響を強く受けていると思われる。それが先天的なものか、後天的なものなのかが争点になってくると思われる。
つづく
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この本に関係のある本
ルトガー・ブレグマン『human kind 希望の歴史』