こちらのつづきを読み進める。
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ベリャーエフは、反応的攻撃性を抑える選択と家畜化について考えた。
著者は家畜化の定義をブルーメンバッハにしたがって「遺伝的適応の結果として従順になる」とする。
また、自己家畜化とは同じ種のなかで起きる単一のプロセスとした。
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著者は、人類の自己家畜化について解明するためには、現時点では人類に一番近いとされる類人猿との比較が妥当とする。
ボノボは食べ物をお互いに分け合うが、チンパンジーは奪い合う。
ボノボは穏やかで、反応的攻撃性は低い。
ここでベドモルフォーシス(幼形形態形成)とペラモルフォーシス(過大形成形態)を持ち出す。
ゴリラやオランウータンの頭蓋骨はチンパンジーと似ていて、ボノボとは違うことが分かった。
つまり、ボノボは彼らとの共通の祖先から進化した。すなわちボノボは彼らのペドモルフォーシスであると示される。
繁殖期に関しても、ゴリラやチンパンジーは一定の期間と定まっているが、ボノボはそうではない。
四章では、家畜化されたキツネは繁殖期が一定の季節に定まらなくなったことが示された。
つまり、家畜化というものはあらゆる種において共通する特徴がある。
著者によれば、ボノボは自己家畜化された可能性が高いという。
以上が5章の重要な部分のまとめである。
ここまで読んで、なぜ人間には決まった繁殖期がないのか理解できた気がした。
つづく