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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記88

スピノザ『エチカ』岩波文庫を読む。 本書によれば、スピノザは人間の感情を「欲望」「喜び」「悲しみ」の3つで説明できると考えた。 僕は新しい思考様式を欲している。 スピノザの幾何学を用いた思考体系にものすごく興味がある。 哲学に興味を持ち始めた頃…

1月の読了まとめ

個人による個人のための一日一冊プロジェクトが無事終わりました。 当初は政治と経済を学ぶために始めましたが、なんだかんだ横断的に学ぶことができて意義があったと思います。 明日以降は読了の頻度を減らし、哲学に集中いたします。 nainaiteiyan.hatenab…

橋本努『ロスト欲望社会:消費社会の倫理と文化はどこへ向かうのか』勁草書房(2021年)読了

こちらを読み終える。 後半はプラスチック問題、無印良品の哲学、ミニマリズムを扱う。 nainaiteiyan.hatenablog.com プラスチック問題の項ではEUと日本の比較がなされた。 EUにおいては環境NGOの基盤が強く、政権と議論が頻繁になされ、政策決定に多大な影…

電車内での暴行事件について 其の二

本日ひろゆき氏の持論がニュースにUPされていた。 やはりこの方、一歩、二歩先を読んでいる。 危ない人間から離れること、無視することを良しとする風潮はやめたほうが良いという意見であった。 同意する。 一方で某格闘家はといえば、無視したほうがいいと…

読書日記87

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今回は消費者団体の項を取り上げる。 今当たり前となっていることは、昔は当たり前ではなく、消費者がボランティアという形で連携して運動を起こした結果でもあると分かった。 たしかに自身の記憶…

読書日記86

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 本日はまず「承認としての生産」、ハンドメイドの項を読む。 手芸を歴史的に追うと、1990年代からハンドメイドという概念が生まれ、現在はアクセサリー、特にピアスを中心にフリーマーケットやネ…

手帳かブログか

アウトプット先を分散すべきか、一点集中すべきか。 最近はもっぱらブログとなってます。 メリット・デメリットを挙げたいと思います。 ・手帳 メリット・・・図や表をすぐに描ける。抽象的な思考に有効。 デメリット・・スピードが遅い。読書の時間が短くな…

西川祐子/上野千鶴子/萩野美穂『フェミニズムの時代を生きて』岩波現代文庫(2011年)読了

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 例えば、立ち読みしたときに「何だこの人は」と思う。 第一印象というものは往々にして実態を捉えきれない。 上野千鶴子氏の本を読めば読むほど第一印象とかけ離れていく。 日々そう感じる。 印象的なお話…

読書日記84

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ミニマリズムが生まれた背景として、スマホもひとつの可能性として挙がっている。 スマホは音楽、動画、買い物、メディア、ゲーム等、あらゆる機能を吸収し発達したことによって、モノがなくても…

読書日記83

橋本努『自由原理 来るべき福祉国家の理念』岩波書店(2021年)を読む。 本書は社会民主主義、福祉哲学、ボランティアに関わる題材をテーマとしている。 個人的に関心の高い分野である。 昨日軽く、電車内の暴行事件について触れた。 nainaiteiyan.hatenablog.…

読書日記82

アダム・スミス『道徳感情論』を読む。 序盤から、人間にはどんな人であれ哀れみや同情を感じる心があると述べられている。 人間は心底から利己的で悪であると説いたマキャベリとは正反対に見える。 調べてみると、マキャベリはスミスより200年ほど早く生ま…

読書日記81

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今日はサドの哲学について学ぶことができた。 彼はルソーの『社会契約論』の内容について知っていたそうであるが、それはある意味ひがみであると受け取っていた。 自分が上に立てる人間ではないと…

一週間のまとめ2022 0129

今週も引き続き、健康的に過ごせて感無量です。 読書できる環境に感謝しております。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatena…

読書日記80

西川祐子/上野千鶴子/萩野美穂『フェミニズムの時代を生きて』岩波現代文庫(2011年)を読む。 僕は化学科⇒英文科に編入した経験があり、やや特殊な経歴を持っている。 理系で毎日のように実験室にいた頃は、フェミニズムなんて言葉は全くわからなかった。 そ…

人間のアトム化

電車で注意したら暴力をふるわれる。 無駄なリスクは取らない。 じゃあ何もしないほうが良い。 しかし僕はそれを、人間のアトム化だと個人的には思っています。 この都市の冷たさは、連帯感の無さでもあるわけで、一人一人が孤立化しているという証拠を現実…

読書日記79

橋本努『ロスト欲望社会 消費社会の倫理と文化はどこへ向かうのか』勁草書房(2021年)を読む。 脱消費社会をテーマとした専門書を探していたときに出会い、即購入。 電車で60ページほど読み込む。 ・二極化 富裕層と中間層以下の分断によって、売れるものがそ…

物とエネルギー

機械的に物を作るにはエネルギーが要る、そしてゴミになった場合、またエネルギーが要る。 そして資源は有限である、と。 エネルギー問題は、科学者ではないので詳しくはわかりません。 しかし、行き詰まる場合、目指すべくは物を無闇に生産しない世の中であ…

読書日記78

松岡正剛『観念と革命 西の世界観Ⅱ』角川ソフィア文庫を読む。 この本はドイツ観念論、ドイツ文学、マルクス、哲学、思想と、タイトルの通り観念と革命を中心に扱う。 序盤はゲーテから始まりフィヒテ、ヘーゲルと進む。 フィヒテは、ドイツ観念論の未来は絶…

読書日記77

石井洋二郎『フランス的思考 野生の思考者たちの系譜』中公新書(2010年)を読む。 冒頭から「合理主義」「普遍主義」といった、抽象的でよくわからない概念を説明される。 この本は、フランス文学者の成した仕事から、彼らの思考を探ってみようという種類の本…

キャス・サンスティーン『行動科学と公共政策 ナッジからはじまる自由論と幸福論』勁草書房(2021年)読了

こちらを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com この本を読み終えて、僕はナッジというものがある意味「もろはの剣」のような性質をも持っていることを理解した。 誘導と言えば聞こえは良い。 しかし、使い方によっては「操作」に値する。 この本のタイ…

読書日記76

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今回は「ときどきの厚生」という項を取り扱う。 ここは非常に哲学的なテーマであり、僕としては関心の高い領域である。 なぜ「ときどき」なのだろうか。 本書によれば、その理由としてはまず「客…

読書日記75

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 顕著性と社会規範の項を読み進める。 例えば、個人に対してなんらかの税金を5000円減らす場合と、5000円を渡す場合、 つまり、 A: -(-5000) B: +5000 Bのほうがその余剰分のお金を使う動機付け…

メルカリで励まされました

どんなに本を読んでもなかなか先に進めない。 どんなに本を読んでも分からないことが増えるばかり。 それでも世界を知りたい。 無駄な作業かもしれないけれども、知らずにはいられない。 自分の限界を試したい。でも壁にぶち当たる日々。 そんな中、メルカリ…

これからの読書

1月のラストまで政治経済を中心に読んでいきます。 2月以降は読みたいものだけを読むという生活を、また再開したいと思っております。 今までは政治について何も語れない自分に嫌気がさしていましたが、基礎は付いたと思ってます。 自信が付きました。 議会…

今野晴貴『賃労働の系譜学』青土社(2021年)読了

こちらをなんとか読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com この本を読み終わって、ますます正社員に復帰する意欲が削がれた。 この資本主義とどう折り合いをつけるべきか、そんな問いをぼんやり頭に残しながら読み進めた。 読み終えてなんとなく感じたのは…

読書日記74

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 半分ほど読み進めた。新しい発見があった。 法と正義のせめぎあいというものを垣間見ることができた。 僕がまだ学生だった2010年前後は労働条件に関する運動が度々発生してきた。 ネット用語であ…

反面教師の罠

反面教師は失敗例を提供してくれる訳ですが、よく考えるとあまり反面教師から学べることが少ないことが分かるのです。 トルストイは言いました。 幸福というものは皆似ているが、不幸はそれぞれ違い多様であると。 また、エジソンを思い出して下さい。 失敗…

読書日記73

今野晴貴『賃労働の系譜学 : フォーディズムからデジタル封建制へ』青土社(2021年)を読む。 本書は一橋大学大学院の後期課程を修了( 社会学 )し、現在NPO法人の代表を勤め、日々労働問題と闘っている方が、現場から何が起きているのかを系譜学的に考察する本…

中山元『正義論の名著』ちくま新書(2011年)読了

こちらを読み終えた。 デリダ『法の力』をまとめ、感想を書いて終わりにしたい。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー デリダはレヴィナスの正義観を踏まえてこう語る。 (正義とは) "「無限…

読書日記72

こちらのつづきを読み進める。 今回はレヴィナス『全体性と無限』をとりあげる。 nainaiteiyan.hatenablog.com こちらは哲学的であまりにも難しい。 実は著者もよく分かっていないのでは、という疑いが残る。というのも、この回に限っては、非常に読みづらい…