こちらを読み終える。
例えば、立ち読みしたときに「何だこの人は」と思う。
第一印象というものは往々にして実態を捉えきれない。
上野千鶴子氏の本を読めば読むほど第一印象とかけ離れていく。
日々そう感じる。
印象的なお話は後半の部分であった。
「メディアは権力で独占状態にあり、(フェミニズムの人たちは)モノを言えない。だから私たちのメディアを作ろう。」
フェミニズムは独学で創ったと上野氏はいろんな本で書いている。
ただモノを言うのではなく、裏付けされた確かなデータと知を引っさげて果敢に立ち向かう。
そんな姿に読んでいる僕も熱くなる。
真ん中あたりでネオリベの話になった。
実力主義⇒淘汰⇒自己の無価値感
本書が出る頃はまだ教壇をとっていた3人が、現場でネオリベの空気を感じ取っていた。
「そして自分を責めてしまい、男性は引きこもりがちになり、女性は自傷に走ってしまう。」
なんでも自己責任の時代。しかし、
「社会のせいにしてもいい」
という言葉に、僕はなんとも言えない気分になった。
やるせなさ。じれったさ。
本書を読んで、やはり社会学は絶対的に必要な学問だと再認識した。
つづく