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ジャック・ロンドン『荒野の呼び声』岩波文庫 (1997) 読了

ジャック・ロンドン『荒野の呼び声』岩波文庫 (1997)

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感想

 

不合理にも、ある日いきなり過酷な労働を強いられたある一匹の犬、バックの運命にまつわる物語であった。

きれいな言い方で表現するならば「生命の輝き」とはこういうことを言うのかもしれない、というものをこの物語から感じた。

 

 

バックには生意気な側面があったのかもしれない。

根拠なき自信があったのかもしれない。

ただ、生きるか死ぬかの世界においてはそんなことは二の次で、生き抜くとはただひたすら体当たりなのだ、というこの自然界の掟と執行草舟氏の言葉が一致した。

 

 

然るべきときに抵抗し、無駄だと理解すればなにもしない。

エネルギーをいかに温存させるかが生死を分ける。

ギリギリの戦い。

仲間にも殺されそうになる。

ときに食料が底をつく。

そして仲間が飢餓で倒れる。

主人に重荷と判定されれば射殺されてしまう。

 

 

あまりにも過酷な物語であった。

しかしいつも思うのであるが、過酷だからこそ生命の灯火が輝く。

本作品もひとつの苦悩文学であった。

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関連図書

 

ジャック・ロンドンの本

 

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