背景など
ジャンル
心理学・哲学・文学・社会学・経済学・歴史学・法学・人類学・教育・芸術・STS・環境思想・メディア研究・倫理学・文化研究・精神分析・都市論・組織論・軍事・福祉など
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🔹心理学からの5冊
(制度が個人や集団心理にどう作用するか)
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権威への服従実験。制度の権威性が個人の倫理を麻痺させる過程を示す。
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フィリップ・ジンバルドー『ルシファー・エフェクト』(2007)
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スタンフォード監獄実験を基に、制度的役割が人間を「悪」に変える力を論じる。
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ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右に分かれるのか』(2012)
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ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』(2011)
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制度改革が人間の意思決定にどんな「認知の罠」をもたらすかを分析できる。
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アルバート・バンデューラ『道徳の脱却』(1999)
🔹哲学からの5冊
(制度の正統性、権力、倫理的ズレを問う)
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制度が「暴力装置」と化す過程を歴史的に分析。
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ミシェル・フーコー『監獄の誕生』(1975)
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規律権力と監視の制度化を徹底批判。
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ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』(1962)
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制度の中で形成される「公共圏」の可能性と限界を描く。
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チャールズ・テイラー『世俗の時代』(2007)
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制度と宗教・倫理のズレを「世俗化」の観点から分析。
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イヴァン・イリイチ『脱学校の社会』(1971)
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教育制度を批判し、「制度が個人の自由を奪う」構造を明らかにする。
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🔹文学からの5冊
(制度と個人の生、権力と倫理を物語で描く)
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フランツ・カフカ『審判』(1925)
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理不尽な制度の暴力に巻き込まれる人間を描いた近代文学の古典。
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ジョージ・オーウェル『1984年』(1949)
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監視と全体主義の制度的恐怖を描いた現代古典。
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オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(1932)
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制度化された幸福がもたらす人間性の喪失。
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アーシュラ・K・ル=グウィン『所有せざる人々』(1974)
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無政府主義社会と資本主義社会を対比し、制度と自由の矛盾を小説で探る。
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マルグリット・ユルスナール『黒の過程』(1968)
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宗教裁判官を主人公に、制度・信仰・倫理の絡み合いを文学的に表現。
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✨まとめ
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心理学 → 制度が人の行動・道徳判断をどう歪めるか
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哲学 → 制度の正統性と権力作用、倫理的盲点
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文学 → 制度の不条理を物語として体感させる
🔹社会学からの5冊
(制度と社会構造・権力関係の視点)
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マックス・ウェーバー『支配の社会学』(1922)
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合法的支配・伝統的支配・カリスマ的支配の類型。政治家と制度の関係の古典。
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ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』(1979)
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制度や文化資本が社会階層を再生産する仕組みを分析。
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アーヴィング・ゴッフマン『アサイラム』(1961)
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精神病院を例に「全制的制度」が人間をどう変容させるかを描く。
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アンソニー・ギデンズ『近代性と自己アイデンティティ』(1991)
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制度的近代が自己にどんなリスクと選択をもたらすか。
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ウルリッヒ・ベック『リスク社会』(1986)
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制度が新しいリスクを生み、政治がそれをどう扱うか。
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🔹経済学・政治経済学からの5冊
(制度改革の「効果」を測る視点)
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ジョン・メイナード・ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936)
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政治が制度を動かす「経済政策」の理論的根拠。
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ダグラス・ノース『制度・制度変化・経済業績』(1990)
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制度改革が経済パフォーマンスに与える影響を体系化。
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アマルティア・セン『自由と経済開発』(1999)
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制度改革を「人間の自由」の観点から測る。
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制度を階級支配の形態として捉える古典。
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トマ・ピケティ『21世紀の資本』(2013)
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制度改革が格差にどう作用するかをデータで分析。
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🔹歴史学からの5冊
(制度変革の「長期的効果」を問う)
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アレクシ・ド・トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(1835/1840)
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制度と民主主義の関係を現場観察で分析。
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E.P.トンプソン『イングランド労働者階級の形成』(1963)
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制度が人々の生活と意識をどう形作るか。
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エリック・ホブズボーム『革命の時代』(1962)
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制度変革と社会変動を世界史的に描く。
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バリントン・ムーア『専制と民主主義の社会的起源』(1966)
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制度改革が民主主義/独裁を分ける条件を比較史的に分析。
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フランシス・フクヤマ『政治の起源』(2011)
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国家制度の成立と変革の歴史を総合的に描く。
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🔹法学・政治学からの5冊
(制度設計そのものを問う視点)
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ハンス・ケルゼン『純粋法学』(1934)
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制度を「法体系」として理解する理論的基盤。
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ジョン・ロールズ『正義論』(1971)
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制度改革の正統性を「公正としての正義」で論じる。
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ロバート・ダール『民主主義とは何か』(1989)
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民主主義制度の条件と限界を明晰に提示。
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エリノア・オストロム『公共財のガバナンス』(1990)
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制度設計と「共同体による資源管理」の成功・失敗を比較。
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ジョン・キングダン『アジェンダ、代替案、公共政策』(1984)
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政治家が制度改革を実際に実現するプロセスを政策科学的に分析。
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🔹文化人類学からの5冊
(制度を異文化・比較の視点で問う)
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マルセル・モース『贈与論』(1925)
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制度を超える「贈与と返礼」のロジック。
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クロード・レヴィ=ストロース『親族の基本構造』(1949)
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制度化された親族関係の普遍性と多様性。
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クリフォード・ギアツ『文化の解釈』(1973)
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制度を文化的テキストとして読み解く方法論。
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デヴィッド・グレーバー『負債論』(2011)
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貨幣・制度・道徳の長期的関係を解き明かす。
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ジェームズ・C・スコット『国家の視力』(1998)
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国家制度が人々を「見える化」し、逆に失敗を招くことを示す。
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✨まとめ
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社会学 → 制度と社会構造の関係
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経済学 → 制度改革の成果や失敗を測る
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歴史学 → 制度の長期的影響
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法学・政治学 → 制度設計とその正統性
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文化人類学 → 制度を文化や贈与の枠組みで批判的に捉える
🔹科学史・科学哲学からの5冊
(制度と知の生産・科学共同体)
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トーマス・クーン『科学革命の構造』(1962)
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パラダイム転換=制度としての科学の変革。政治制度改革の比喩にもなる。
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カール・ポパー『開かれた社会とその敵』(1945)
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制度批判と民主主義の正統性を科学哲学的に論じる。
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ポール・ファイヤアーベント『方法への挑戦』(1975)
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科学の「制度的独占」批判。制度を疑う姿勢の典型。
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ブルーノ・ラトゥール『科学がつくられているとき』(1979)
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科学制度をネットワークとして捉える。
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イアン・ハッキング『偶然を支配する』(1990)
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確率・統計という制度が社会に与える支配力を分析。
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🔹宗教思想からの5冊
(制度と信仰・倫理の緊張関係)
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世俗制度と宗教的秩序の対比。
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制度宗教批判と「信仰による自由」。
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マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(1905)
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宗教的倫理が経済制度に誤配される過程。
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ラインホルド・ニーバー『道徳的人間と非道徳的社会』(1932)
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制度は個人の道徳を裏切りやすいという現実主義的洞察。
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チャールズ・テイラー『自我の源泉』(1989)
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制度と宗教・道徳的自己の歴史的形成を探る。
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🔹教育学からの5冊
(制度が人をどう「形づける」か)
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イヴァン・イリイチ『脱学校の社会』(1971)
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教育制度批判の古典。制度化の危険を直撃。
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ジョン・デューイ『民主主義と教育』(1916)
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教育制度を「民主主義の実験」として捉える。
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教育制度の権力作用を批判し、解放の教育を構想。
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ピエール・ブルデュー/ジャン=クロード・パスロン『再生産』(1970)
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教育制度が社会的不平等を再生産する仕組みを暴く。
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マイケル・ヤング『知識と支配』(1971)
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教育カリキュラムが社会的支配とどう結びつくか。
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🔹芸術・美学からの5冊
(制度と表現の自由、形式と内容のズレ)
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テオドール・アドルノ『文化産業論』(1944)
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芸術制度が資本に取り込まれるプロセス。
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ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術』(1936)
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制度と技術が芸術の「オーラ」をどう変えるか。
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クレメント・グリーンバーグ『前衛とキッチュ』(1939)
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芸術制度の政治性を批判的に指摘。
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スーザン・ソンタグ『反=解釈』(1966)
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制度化された解釈行為への反抗。
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アーサー・C・ダントー『芸術の終焉以後』(1997)
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制度理論から芸術の正統性を再定義。
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🔹科学技術社会論(STS)からの5冊
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ランガン・ウィナー『鯨と原子炉』(1986)
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技術制度の政治性を問う古典。
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アンドリュー・ピックリング『サイバネティック・ブレイン』(2010)
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制度・科学・技術の相互作用を歴史的に分析。
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シーラ・ジャサノフ『デザインされた自然』(2005)
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制度と科学技術が「公共」をどう作り直すか。
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トレヴァー・ピンチ&ウィーバー・ビジカー『自転車と電球』(1987)
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技術制度の社会的構築主義的分析。
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ラトゥール『我々は決して近代的であったことはない』(1991)
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制度の二元論(自然/社会)を超える提案。
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🔹環境思想・エコロジーからの5冊
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レイチェル・カーソン『沈黙の春』(1962)
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制度化された産業が自然を破壊することを告発し、環境政策を変えた古典。
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ギャレット・ハーディン『共有地の悲劇』(1968, 論文)
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制度なき資源利用が破局に至る構造を示す。
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ジェームズ・C・スコット『反逆の自然』(2020)
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人間の制度が自然を管理しようとすることの限界を歴史的に論じる。
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ブルーノ・ラトゥール『気候モードの政治』(2015)
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環境危機を「新しい制度の設計問題」として捉える。
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環境・社会・精神の三領域を横断的に考える制度批判。
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🔹メディア研究・情報社会論からの5冊
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マーシャル・マクルーハン『メディア論』(1964)
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「メディアはメッセージである」=制度化されたコミュニケーションの影響。
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ノーム・チョムスキー『メディア・コントロール』(1997)
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民主主義制度の中でメディアが操作される構造を批判。
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ニール・ポストマン『愚民化するテレビ』(1985)
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制度化されたメディアが公共的思考を劣化させる。
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シェリー・ターニー『孤独な群衆(Alone Together)』(2011)
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デジタル制度が人間関係をどう変えるかを心理・社会的に分析。
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エフゲニー・モロゾフ『インターネット・ソリューショニズム』(2013)
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技術制度が「万能解」として政治を誤導する危険を告発。
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🔹倫理学・政治倫理からの5冊
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アルベール・カミュ『反抗的人間』(1951)
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制度への反抗と倫理の根拠を探る。
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アイザイア・バーリン『自由論』(1958)
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消極的自由と積極的自由を区別し、制度の危うさを分析。
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マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(2009)
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制度改革の正統性を倫理的に問う。
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ジュディス・シュクラー『市民的不服従』(1982)
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制度に抗う倫理の正当性を論じる。
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アヴィシャイ・マルガリット『まともな社会』(1996)
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制度が人間の尊厳を守るかどうかを基準に社会を評価。
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🔹文化研究・ポストコロニアルからの5冊
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エドワード・サイード『オリエンタリズム』(1978)
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学問制度が植民地主義を正当化したことを批判。
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ホミ・K・バーバ『文化の場所』(1994)
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制度化された文化表象の揺らぎを分析。
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ガヤトリ・スピヴァク『サバルタンは語れるか』(1988, 論文)
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制度的言説が抑圧する「語れない声」。
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スチュアート・ホール『文化と権力』(1997)
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メディア・制度がアイデンティティを作り出す。
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フランツ・ファノン『地に呪われたる者』(1961)
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植民地制度が人間の身体と心をどう破壊するかを描く。
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🔹心理療法・精神分析からの5冊
(制度が人の精神にどう作用するか)
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フロイト『文明の不満』(1930)
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社会制度が人間に抑圧と不満をもたらす構造。
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エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(1941)
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制度的自由が逆に人間を不安にさせ、権威服従を招く。
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ジャック・ラカン『エクリ』(1966)
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言語と制度の関係が主体をどう規定するか。
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ロナルド・D・レイン『引き裂かれた自己』(1960)
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精神医療制度と個人の分裂を批判。
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ミシェル・フーコー『狂気の歴史』(1961)
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精神医療制度の権力性を歴史的に批判。
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✨まとめ