遠近法と思考
コンクリートの道を歩く。
目の前は粗く見えるが、少し先のコンクリートは一色に見える。
「一色に見える」ことと「一色である」ことは必ずしも一致しない。
この場合、視力に難がある。
「もっと広い視野で物事を見ろ」と怒られる。
しかしながら、高い位置で物事をみても、「一色に見える」ようでは本末転倒ではないか。
結局は望遠鏡が必要なのである。
しかし、それでは今度視界が狭くなる。
物事は遠近法に支配されているようにも見える。
世界全体を同時に同じ大きさで見ることは不可能である。
つづく