わーんわんわん。泣き声をあげた瞬間、職員の顔に影が差す。「うちは週5日勤務が基本です」──その一言で、希望のドアは閉ざされる。わたしは週2日なら働ける。3日なら挑戦できるかもしれない。でも、4日以上は無理だ。身体が拒絶する。だが、その声は制度の外に弾かれる。わーんわんわん。泣き声は制度に届かない。
A型は雇用契約のもとで最低賃金が保障される、就労の場だという。しかし実際には、安定的に週4日以上働ける人しか想定していない。B型は柔軟だが、全国平均で月1万6千円の工賃しかない。これでは家賃も払えない。結果、「週2日から復帰したい」人は二択を迫られる。A型に拒まれるか、B型で貧困に沈むか。わーんわんわん。この泣き声は、制度の設計そのものが生んだものだ。
ではどうすればいいのか。泣き声をただ響かせるだけでは、門は開かない。だから、わたしは提案する。
第一に、「ライトA型」制度の創設。週2〜3日勤務でも雇用契約を結べる仕組みが必要だ。最低賃金は保障しつつ、労働時間は柔軟に設定する。事業所にはその分の報酬を国が補填する。これにより、「働きたいけれどフル勤務は無理」という人も、経済的に自立への一歩を踏み出せる。
第二に、B型の工賃水準の引き上げ。月1万円台では「働くこと」が「生活を維持すること」に結びつかない。最低でも月5万円を目標に、国が直接的に加算を行うべきだ。そうでなければ、B型は「貧困の固定装置」でしかない。
第三に、生活保護と就労支援の併用の柔軟化。今は「保護を受けるなら働かなくてもいい」「働くなら保護を減らす」という二項対立だ。しかし現実には、週2日程度の就労と生活保護の補完が必要な人が多い。働く意欲を持ちながらも生活を維持できる制度に改めるべきだ。
第四に、ソーシャルファーム型の社会的企業への支援。NPOや協同組合が、柔軟なシフトで雇用を創出できるよう補助金を整える。欧州のように「社会的企業」が制度の谷間を埋めるモデルを導入すべきだ。
わーんわんわん。泣き声は単なる嘆きではない。提言の声であり、制度を動かすための声だ。わたしは犬のように吠える。「週2日からでも働かせろ! 働きたい人を排除するな!」その吠え声は、ただの弱者の呻きではない。社会の持続可能性を問いかける鐘の音なのだ。
今、日本は人手不足に直面しているという。ならばなぜ、「週2日しか働けない人」を排除するのか。少しずつでも働ける人を支える方が、結局は社会全体の利益になるのではないか。わーんわんわん。この泣き声を笑い飛ばすか、制度改革への合図と受け止めるか。選ぶのは、社会の側だ。
わたしは泣き続ける。悔しさを、怒りを、願いをこめて。わーんわんわん。声は涙に濡れながらも、提案として結晶していく。週2日から始められる社会をつくれるかどうか。未来はその答えにかかっている。