はてなブログ大学文学部

読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

綺麗事が綺麗事である理由とは

例えば、環境問題を持ち出して、「ひとりひとりが変わらなければ絶対に変わらない」と誰かが熱弁するときに、 「ただの綺麗事」 と切り捨てられるケースは、まあよくある例である。 この本質とはなにか。 「他人を信じる力を欠損させるシステムが存在する」…

遺伝信仰にメスを

何かを遺伝で決めつける人が多い。 おそらく無知である。 日本人の平均身長は遺伝でのびたのか。 日本人の平均寿命は遺伝でのびたのか。 男性は弱いのか。 女性は強いのか。 これを、遺伝的な要素以外のもの全てを排除して実験、考察などできるはずはない。 …

芸術には別の言語や形式が必要なのかもしれない

テクノロジーの進歩とともに芸術が変容しているように感じる。 言語が微妙に変わっていくように、この数百年の間で、芸術の定義が180度変わったように僕は思う。 というのも、昔は写真が撮れないから絵を描いて記憶せざるを得なかったが、今はスマホ一枚で終…

共感の性質と欠点

以前書いた記事に捕捉をしたい。 nainaiteiyan.hatenablog.com 参考文献 ルトガー・ブレグマン『希望の歴史』文藝春秋2021年 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 僕は比喩的に、共感を共振とした。 本書によると、赤ん坊を研究す…

「弱いつながり」が逆説的に情報を接続していく

弱いつながり、とは端的にいえばTwitterのフォロワーのような、 なんとなく繋がっていて、特に顔も知らなければ個人間のやりとりもない関係のことである。 結果的に、その弱いつながりはSNSの機能を媒介し、情報を次々に接続していく。 以下、説明をしていく…

詩は何の役に立つのか?という質問に

ボルヘスは面白い答えを返す。 「では、コーヒーの味は何の役に立つのか?私たちは何の役に立つのか?」 (『記憶の図書館』国書刊行会より) 僕は、この質問についてもう少し考えてみた。 文化的側面を除いても、間接的には商業的に役立っている。 そもそも、…

美学と倫理学の統合

道徳は社会がどうあるべきか、という問い立ててで、倫理学は個人はどう生きるべきか、という問いたてであることを僕は学んだ。 これは個人的なものではなく、普遍的な問い立てに思える。 そして、美学もまた普遍的な概念だと思われる。 というのも、美に対し…

自分を理解することが他者を理解するきっかけとなる

と僕は考える。 こちらのつづきである nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 理解の仕方は簡単に分けて2つあると思われる。 ・外部から内部への理解 ・内部から外部への理解 前者は帰納的…

養老孟司『バカの壁』を共振の原理から説明

こちらの記事と『バカの壁』を関連付けたい nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『バカの壁』の内容を端的にいえば、話しても簡単には伝わらない、とい…

芸術鑑賞に関する考察

写真が発明されるまでは、模倣としての芸術が存在していた。 『パンセ』で有名なパスカルはそれを「くだらない」と切り捨てた。 今はポストモダニズムだとか、芸術は終わっただとか、いろいろとややこしいことになっているみたいである。 僕は、芸術は抽象的…

共振と反応のフラクタル構造

こちらのつづき nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 固有振動数に近い振動を与えると物体は大きく揺れ出すという。 僕はこの現象を数学的に記述することはできない。 分子レベル…

ニヒリズムは意味に回帰する

と僕はみています。 この1年、逆説についてもいろいろ考えてきましたが、物事と逆説は親和性が高いと今でも思うのです。 沢山書いてきました。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenabl…

物事は離散か、アナロジーか

最近の本の買い方としては、ひとつのジャンルに偏らないということを徹底しています。 むしろ、掛け算の感覚で買っています。 例えば。 「この本とこの本を組み合わせて読むとおもしろいな」 という具合です。 過去、一時期は哲学にドハマりしました。 古典…

書評は右から左に

書評をちょくちょく買ってはいた。 が、しかし。 書評は雑誌と同じような感覚がある。 あまり頭に入らない。 それは、傍観者としての読書に近い。 つまりは、野球に例えると外野席でただ観ているイメージである。 ベンチにすら入れない。 書評を読む、という…

意味を求めすぎない

最近、僕は意味にとらわれている。 ということで、幻冬舎『何もしない』という本を読んでみた。 エッセイの形式で、まとまりがなく、吸収しづらい本ではあるが、なんとなく無意味さの大切さは感じる。 いや、むしろまとまりがないほうが、かえって読者に先へ…

快楽主義の論理構造を解体

人生、意味がないので快楽が全てだ。 という生き方を選択する者は多い。 僕も刹那的に生きていた時期がある。 しかし、その考え方は論理的にあまり意味をなさないように思われる。 簡単に言えば、5杯目のビールは美味しいですか?である。 詳しく書いていく…

ジェンダー問題やテクノロジーについてだらだら語る

問題提起をしつつも、まだ結論が見えないことを取り扱います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 僕は、テクノロジーはいくつもの議論を駆逐してきたと踏んでいます。 言い換えると、テクノロジーが社会を変える速度は、議論…

感覚をアップデートすべきか。電子書籍をめぐって

僕は家に1000冊ほど本を抱えつつも、タブレットにも500冊弱データとして入れている。 時代はメリットを与えてくれる反面、負債も追わせてくるように見える。 電子書籍に関してはこの1年間、いろいろなことを考えてきた。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainai…

意味付けの射程距離

何事も理論と実践がある。 概ね、意味付けは実践においてなされる。 例えば、心理学には多様な理論がある。 「ストループ効果」のように、実験(≒実践)で確認され、確かな根拠が揃うと「~効果、~理論」と名付けられる。 芸術にも同じような事が見受けられる…

考えるヒント32

思考停止を避けるために 壮大なテーマを考えるとどうしても思考が止まりがちになってしまった。 さてどうすればよいのか。 僕は以下を試みた。 ・とりあえず何か書く ・何が分かっていないのか書く ・何が知りたいのかを書く 思考停止とは、もしかしたら手の…

1年ぶりにブログ名を変更致しました

理由としては、 ・学術的な内容が増えた ・文学部で行うような内容が多い ・ブログ名にインパクトが欲しい ・○outube大学に負けない 以上です。 方向性は全く変わりません。 ひたすら書きたいことを書いていきます。 つづく

退屈と心理的アフォーダンス

アフォーダンスという言葉に初めて遭遇した方はこちらをご参照を nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 往々にして人は見たいもの…

人間にとって価値ある本とは

価値がある本は値段が高い本。 というのは市場的な観点。 僕は哲学的な観点から考えてみる。 究極的には無に近い本が価値ある本だと踏んでいる。 例えば、フィヒテなんかは世の中に悪書が沢山あると嘆いていれば、ショーペンハウアーは、本は人の思考力を下…

デトックスを取り巻く奇妙な社会

デトックスが流行っている。 僕は社会的なものから一時的に離れることをソーシャルデトックスと名付けてみようと思ったが、既に使われている言葉だった。 それはSNSを絶つという意味に近いものであった。 では、と。 ビジネスデトックスがいいかな、と思い念…

美の対象と内的な無意味感について

こちらのつづき nainaiteiyan.hatenablog.com また、僕が感じる逆説、「意味を持たせると無意味になり、無意味であれば意味を持つ」ことの例を具体的に書いてみたいと思う。 nainaiteiyan.hatenablog.com 例えば、絵の対象は「自然」であることが多い。 デカ…

アフォーダンスとナッジの共通項

こちらのつづき nainaiteiyan.hatenablog.com ナッジという言葉に初めて遭遇した方はこちらをご参照を nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com どちらも「誘導」である。 アフォーダンスは環境から人に変化を与え、ナッジは記号から人に行…

桜、波、木の知覚心理学、美学

人は漸次的な変化に気づきにくい。 そして、速度が遅ければ遅いほど、知覚は困難になる。 例えば、髪の毛は1日に5ミリ弱伸びるみたいではあるが、頭髪の変化は毎日鏡で髭を剃る自分でも分からない。でも必ず変化していく。 桜は比較的知覚しやすい。それは当…

不安という車輪に期待を乗せる

岡本太郎によると、死に近い生は輝くという。 僕は解釈を少し変えてみた。 不安のない人はいない。 だからといって、不安を常に感じる人は少ない。 最近はなにかと不安な時代だ。 しかし、だからこそ輝けるギリギリのラインにまで踏み込んでいるように見える…

誇大妄想的な妄想

僕がこれから書くことは、 「頭おかしい」 「躁状態なのでは」 と思われるかもしれないが、とりあえず僕は思ったこと、感じたことを許される範囲でブログに残していく。そのスタンスは2年前から変わらない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

数奇な人生

僕はパニック発作を起こしたあと、回帰的に生きることになる。 僕が求めていた人生の意味は結局のところ、虚無に近いものであった。 ところが、今はパニックがきっかけで多方面にわたる物理的現象、精神的現象を横断・研究することになる。 求めていたものが…