はてなブログ大学文学部

読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

欲と膨張

宇宙が膨張するのと同じように、欲もブレーキが効かなくなると膨張していく。 限りなく広がった宇宙空間は、全体としては中身がスカスカなように、膨張しきった欲もスカスカである。 一時は、宇宙はやがて収縮する説があった。 それはある意味で宇宙の死を意…

資本主義と心について

昨日、テレ東「家、ついて行ってイイですか?」を観ていた。(記憶が少し曖昧なので別の番組であれば訂正する) 岡本太郎のように、芸術一本で生きている人のお話を僕は聴いていた。 僕はその人を自由な人だと思った。 話は逸れるが、「ONE PIECE」のルフィは…

ベストセラーは社会の精神を診断する

と僕は本を読みつつ思った。 参考文献:与那覇潤『知性は死なない 平成の鬱をこえて 増補版』文春文庫2021年 本書ではアドラー心理学『嫌われる勇気』がベストセラーになった背景を、時代の流れとともに説明する。 2010年代は自己責任という言葉が多く使われ…

物理的孤独・精神的孤独

「あの人は孤独なのよ」 というセリフをカフェで聞いた。 僕は常に一人で本を読みつづけているので、物理的には孤独である。 しかし、精神的に孤独だとは思わない。 というのも、家族がいるだけで十分幸せじゃないか、と普通の感覚で思う。 年をとって、家族…

メルカリで社会の空気をちょっぴり読む

僕は依然として、僕が興味のある本しか読まないことにしている。 それは、結局は最後まで読みきれないことがほぼ見えているからである。 最近のメインはハンナ・アーレントやアマルティア・セン、ホネットなどの政治哲学、 ドゥルーズとガタリによる横断的な…

完璧主義は疲労のもと

完璧主義は逆説的に、無駄を排除しきれていない。 ○○しなければならない、という信念、いや、狂気にとらわれている。 それは、合理と相反するものである。 例えば、「あと1時間で終わらせる」と必死に作業をやるときについて考える。 人は200mですら、最大速…

数理的に期待と裏切りの構造を考える

言うだけなら簡単と人は言う。 そのわりには、言葉で簡単に気づついたりする。 不思議である。 期待と裏切りを考える。 期待とは相手を信じること。 相手の言葉を信じること。 言い換えれば、「相手の言葉に乗る」、つまり自分の期待を相手の言葉に重ねるこ…

数学の極限を利用して「自我」を考える

自分自身は、自分についてどの程度知っているだろうか。 おそらく、「分からない」ではあるものの、 全く分かっていない、とまでは言い難い。 自分の長所短所を挙げることはできる。 好きな食べ物、嫌いな食べ物も分かる。 何が得意で何が苦手も分かる。 自…

WEEKLY OCHIAI 再考。エネルギー問題:テクノロジーと議論に関して。

落合氏の、「議論はし尽くされても変わらないので、テクノロジーのみが地球を変え得る」という主張を再考。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com おそらく、それは「狭義」の意味での議論のことであると思…

絵画と文学の接点

絵画は「面」のなかに、全てを凝縮させる。 文学は一枚一枚の紙に全てを凝縮させる。(電子書籍を除けば) 一枚一枚を巻物のように1枚にできるので、文学も「面」と言える。 キーワードは「翻訳」「解釈」である。 ベンヤミンによれば、作品には客観的に記述し…

物語が長く感じる夢を見る

今日はかなり長い夢を見る。 これは長く「感じた」だけで、錯覚なのかもしれないという可能性もある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 東北から神奈川へ電車で帰る場面だった。 するとアクシデントで長野県で止…

苦しい時、悩んでいるときは逓減の法則を

臨床心理学では「反芻」という用語が出てくる。 それは、過呼吸に似ている。 つまりは、考え事が「過剰に」増えているということ。 そんなときは「マインドフルネスです」といっても、簡単なことではない。 「コーピング」といって、リフレッシュする活動や…

分析は不満を凌駕する

僕は日記感覚でブログを書いている。 日記とは自分に関する統計データとも言える。 多ければ多いほど精度が上がり、自分が見えてくる。 公に発信する以上は、勿論なんでも書いて良いわけではない。 できれば自分だけの秘密の日記帳に書いた方が良いのかもし…

夢のなかで匂いを確実に感じる

嫌悪を伴って、不快と感じた過去の匂いを感じた。 勿論、実際には知覚していない。 しかしながら、「イメージ」として、確実に不快感を伴ってその匂いが僕の夢のなかで、確実に実体として目の前に現れた。 あまりに不快のため、香水を部屋にかざした。 僕は…

ニュースに見られる暗喩

「○○の発言に賛否両論」 物凄く違和感のある表現である。 まず、普通に考えて、賛否が分かれない意見は存在しないと思われる。 批判ができないものは、科学的に証明された事実のようなものだけのはずだ。 そんな高度な意見を求められてもコメントする側は困…

人間不信に関して。性質の記述不可能性と絡めて。

「誰も信用できない」 昔、同級生にそういう女子がいた。 哲学的に考えてみる。 そもそも、ではその「誰も」と想定する人々っていったいどんな人だい。 おそらくこう答える。 「私以外の人間」 これ以上は本人の傷をえぐることになるので、あくまでフィクシ…

価値の挟み撃ち。そしてアローの不可能性定理について。

こちらと内容が少し被る。 nainaiteiyan.hatenablog.com 流行は繰り返すという。 実際、僕は30年生きて感覚的にそれは正しいとみてる。 『アマルティアセンの思想』みすず書房2021年によれば、 アローの不可能性は、端的に言えば、個人が望ましいと考える選…

ティッシュペーパーみたいな言葉

アナロジー的に考え、言葉にも質量があると僕はみる。 そもそも、人は「言葉の重み」という表現をする。 いや、言葉はアナロジーがかなり占めているとも言える。 中身のない男と表現されることがある。 つまりはスカスカ。 でも頭の回転が速い人は「というこ…

人間を機械化する会社、機械を人間化する会社

参考動画:AbemaTV www.youtube.com ポイント ・人手不足は経営者の目線で、日本人の失業者は60万人いる ・農業を自動化せざるを得ない状況の日本 ・外国人労働者に頼らざるを得ない政治構造・経済構造がある ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

考えるヒント31

考えがまとまらない、でもなにか書き残したいときはこちらのカテゴリーに入れています。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今日、E = mc2乗を復習しました。 それは置いておいて、、、 「相対」という言葉、僕は好きです…

抽象概念を別の抽象概念で運ぶ

こちらのつづきです。 nainaiteiyan.hatenablog.com 人間、不思議なもので、お互いが共通の知識や認識などを共有していると、会話のみでもかなりの高度な情報をやりとりできるのではないか、と思うのです。 僕は昔、漫画はただ紙に絵が描いてあるだけで、何…

イメージの乗り物で抽象概念を運ぶ

10度の角度がどれくらいなのかを、会話のみでどうやって伝えるのでしょうか。 心の優しい方、少しだけ想像してみてください。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ これは、「イメージ」を利用するしかない、と僕はおもいます。 言い換えると、「イメー…

責任と反動、そして選挙

「国民の大半はバカなので、選挙にいく意味がない」 という主張がある。 この考え方はポピュリズムに対する皮肉のようなもので、裏を返せば「自分は無力だ」と言っているようなものである。 「それでも事実上、どうしようもないのでしょうがない」 という反…