価値がある本は値段が高い本。
というのは市場的な観点。
僕は哲学的な観点から考えてみる。
究極的には無に近い本が価値ある本だと踏んでいる。
例えば、フィヒテなんかは世の中に悪書が沢山あると嘆いていれば、ショーペンハウアーは、本は人の思考力を下げると言っている。
どちらも言いたいことは分かる。
売上が大事なのだから、必然的だ。
デジタルデトックスが流行っているが、ビブリオデトックスなんかは流行らない。
そもそも、読書自体が流行っていない。
僕は、読書に意味があるという知識人の刷り込み、植え付けから逆説的に読書が無意味なものに成り下がったとみている。
いや、無意味なものとまでは言えないが、少なくとも需要があまりないことは間違いない。
であれば、もういっそ本に価値があるとか、意味があるとか、言わなければいい。
そう思い始めた頃から僕は書評の無意味さを感じた。
という背景から、僕は無のような本が最も価値のある本だとみる。
つづく