はてなブログ大学文学部

読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

第八章:自己家畜化と処刑仮説

こちらのつづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 七章では処刑という制度が自己家畜化を説明し得る可能性が見出された。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー アメリカでは18世紀の後半まで死刑が横行…

読書日記119

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 印象に残ったことを書き残す。 僕は「汚職について」というエッセイがとても鋭い点をついていると感じた。 例えば、学校の先生や警官が女性問題で逮捕されたとする。 日常茶飯事だ。 「あってはな…

駅員のアナウンスに違和感

電車が遅れた。 「お急ぎのところ申し訳ございません」 いやいや。 私、別に急いでいませんが。 むしろゆっくり本読めるので問題ないです。 何故急いでいることが前提なのか。 これ、意外と根が深い問題ではないでしょうか。 急ぐのが当たり前な社会。 狂気…

読書日記118

池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版社(2014年)を読む。 本屋さんで発見。即購入。 しばらくはこの本を貪り読むこと間違いない。 哲学と思想の違いについて書かれていた。 思想は「言葉」になったもので、哲学は「考える」ことだと。 池田氏は「哲学を…

第七章:ダーウィンの見解

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ホモ・サピエンスがネアンデルタール人より優れている点は「協調性」と「社会的学習能力」の二点とされる。 その協調性は「寛容性」によって影響を与えられているという証拠は存在する。 しかしな…

第六章:考古学的な裏付け

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ボノボはチンパンジーから進化した可能性が高いことが判明した。 では今のホモ・サピエンスはどのようにして進化していったのだろうか。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

読書日記117

埴谷雄高『死霊』講談社学芸文庫(2003年)を読む。 精神分析家が好みそうな、心理小説と呼ばれるもので、著者は「妄想実験」と呼んでいる。 僕もその妄想に付き合ってみたい。 僕は、この小説が至る本で登場していることから、前々から気になっていた。 池田…

【達成】10万PVまでの道のり

一区切りということで、記録として残すことにした。 僕がブログを始めたのは2019年の6月で、ハローワークで就職活動をしていたときである。 転職日記としてなんとなく始める。 nainaiteiyan.hatenablog.com その後、ただひたすら書きたいことだけを書く日々…

池田晶子/陸田真志『死と生きる 獄中哲学対話』新潮社(1999年)読了

こちらを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 最後の最後で、陸田氏は「理性とは本能だ」という命題に辿り着く。 池田氏はそれに添える形で「理性とは普遍だ」と書く。 最後の最後で、陸田氏は「何故人を殺してしまったのか」という問いに対して、金銭…

第五章:チンパンジーからの進化

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ベリャーエフは、反応的攻撃性を抑える選択と家畜化について考えた。 著者は家畜化の定義をブルーメンバッハにしたがって…

第四章:自然淘汰は必ずしも動物に最適なデザインをもたらさない

こちらのつづきを読みすすめる。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 20世紀にダーウィンが解決させることのできなかった問題に、ロシアのベリャーエフという学者が答えを出す。 野性…

読書日記116

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今回は死刑に関する対話で印象的であったことを書き残す。 池田氏は、死刑制度の是非に関しては「各々の思想」であると述べている。 死について考え抜いた哲学者でさえも、死刑制度に関して断言す…

本日の読書振り返りと反省

哲学対話を読んで、僕は何事も、真理を知った気になるその短絡性に気を付けなければならないと強く思った。 nainaiteiyan.hatenablog.com 文章化して世の中に公開する以上、なんらかの説得性を担保しなければ受け手側に伝わりにくいことは仕方がない。 しか…

読書日記115

プラトン『ソクラテスの弁明/クリトン』岩波文庫を読む。 ソクラテスの論述の仕方は非常に参考になる。 臨床心理学では応用されていて、「ソクラテス問答法」というものもある。 相手の主張に則した例を引っ張り出して、その例が偽であることを導く。 そして…

『善と悪のパラドックス』第三章 家畜化

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 二章では脳科学から暴力について考察された。 扁桃体は感情の抑制機能を司る。扁桃体がうまく機能しなければ感情は抑制されず暴力に繋がる。 また、大脳辺縁系がネットワークが活発な脳は感情の起…

読書日記114

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 池田氏が指摘する。 陸田氏は三通目からレベルが落ちてきてしまっていると。 というのは、哲学対談や読書を通して得られた知識を「世間にも教えてやろう」という気持ちが少しずつ芽生えてきてしま…

読書日記113

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com SNSのない時代は、救いを求め、そういった人々が集うことによって宗教的に集団化された。 今はインスタントラーメン並みに手軽にネットを通じて集うことができる。 今は宗教の代替として部分的に…

読書日記112

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 陸田氏は寄贈された池田氏の本やヘーゲルなどの哲学書を読む。 そして池田氏と往復書簡を始める。 今日印象に残ったことをこのブログに書き残す。 陸田氏は「善く生きること」を「善く死ぬこと」…

今日の読書振り返り

まず新幹線殺傷事件に関しては、脳に何らかの異常があったと考えるべきである。 どんな理屈を重ね合わせても、刑務所に行きたいから人を殺しても良いという帰結にはなり得ない。 人間の悪について考えるために、その参考資料として『善と悪のパラドックス』…

読書日記111

池田晶子/陸田真志『死と生きる 獄中哲学対話』新潮社(1999年)を読む。 池田氏と囚人の哲学対話ということで、興味があり購入。 ソクラテスやプラトンが誕生してから2500年といわれている。 人間の感覚からすれば途方もない時間である。 にもかかわらず、彼…

『善と悪のパラドックス』第二章

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 人類学者によるフィールドワークが明かしたのは、人間はチンパンジーよりも、ボノボよりも攻撃性が低いことであった。 しかしながら、攻撃性は低いものの、戦争においては類人猿を遥かに上回る残…

読書日記110

池田晶子『絶望を生きる哲学 : 池田晶子の言葉』講談社(2017年)を読む。 僕が哲学にのめり込んだきっかけは紛れもなく池田氏の本である。 難しい言葉を使わずに物事の本質に触れさせてくれる、哲学エッセイという形式を日本で初めて切り開いた方である。 現…

インベカヲリ☆『家族不適応殺 新幹線無差別傷犯、小島一郎の実像』角川書店(2021年)読了

こちらのつづきを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 昨日は小島氏の家族が崩壊していると書いた。 これは部分的には合っていると思われるが、真相は不明であるというのが本当のところであると考えられる。 精神鑑定医は、小島氏は猜疑性パーソナリテ…

読書日記109

インベカヲリ☆『家族不適応殺 新幹線無差別傷犯、小島一郎の実像』角川書店(2021年)を読む。 登戸、京アニ、小田急線、京王線、センター試験。 無差別の犯行が多いようにみえる。その心理は単純か否か。 BOOK・OFFにあったので購入。 100ページほど読んでも…

リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス : ヒトの進化<自己家畜化>の歴史』NTT出版(2020年)を読む

まず第一章を読み終える。 ざっくりまとめる。 本書はチンパンジーとボノボの行動研究の知見や歴史学、生物学などから人間の善悪を考察する本である。 チンパンジーは一般的に攻撃性が著しく高いとされ、ボノボはそれと対照で穏やかとされる。 一章の結論と…

読書日記108

松尾隆佑『ポスト政治の政治理論 : ステークホルダー・デモクラシーを編む』法政大学出版局(2019年)を読む。 今日では行政需要が多様化かつ細分化している状況にあるため、民間会社、非営利組織などと連携して需要を埋め合わせていく行政形態への転換期にあ…

読書日記107

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 本日は第三章までを読み進めた。 ざっくりとまとめて感想を書きたい。 アメリカでは「反知性主義」というものが少なからず蔓延っている。 ポピュリズムと反知性主義が親和性を持つことによって、…

久々の不調

午前中は読書をして過ごしました。 帰り道にもう気づいていました。 「今日はこれで終わりかな」 読書だけは毎日長時間できていたのですが、久しぶりに読書する気力も無くなりました。 お昼以降は寝たり、Youtuberキヨさんの面白いゲーム実況動画を観て笑っ…

読書日記106

ビートたけし『バカ論』新潮新書(2017年)を読む。 僕は何回も吹き出しそうになった。 久しぶりに笑える本に出会えた。 「自分探しの旅と言いながら、それはただの観光。バカがバカを探しに行ってどうする。」 「現地の人は幸せそうだったとか言って、結局は…

読書日記105

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com アメリカにおいては「どんな言説なのか」よりも、「誰の言説なのか」に人は左右される。 つまり言葉の「交換価値(言説の提唱者)」が「使用価値(言説の内容)」を上回る自体となっている。 政治学者…