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読書日記110

田晶子『絶望を生きる哲学 : 池田晶子の言葉』講談社(2017年)を読む。

僕が哲学にのめり込んだきっかけは紛れもなく池田氏の本である。

難しい言葉を使わずに物事の本質に触れさせてくれる、哲学エッセイという形式を日本で初めて切り開いた方である。

 

 

現代思想まで一通り一周したところで再び原点に帰ってみた。

 

 

印象に残った1ページを引用したい。

 

 

善く生きるには

「食べなければ生きていけないではないか」と人は言います。もちろんそうです。だけど、生きていることそれ自体が、生きるためだけに生きている人にとって、なぜ価値であり得るのか。生きることが価値であることができるのは、それを善く生きている人に限られるはずですよね。

ここで「善く生きる」というのは、決して道徳的な意味合いではないですね。逆にその道徳性も含めた社会的な作りごと、虚構性を見抜いて、それを虚構だと自覚して、より賢く、自覚的に生きることを言うのです。P104

 

 

僕は勝手な憶測を働かせると、この方はソクラテスに大きな影響を受けているのではないかと感じる。

僕はまだ『ゴルギアス』と『パイドロス』しか読んでいないものの、「不正」「正義」「善悪」の考え方が似ているように感じる。

 

 

僕もこの1年間は虚構というものを考えてきた。

まだまだ「善く生きる」ということの本質は見えてこないが、部分的には見えつつある。

この本を読んで「そうだよな」と納得できる箇所が昔より増えてきたように思う。

 

 

この2年間で少しだけ前に進めたように思う。

つづく

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この本に関係のある本

 

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