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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記132

カール・ポパー『社会と政治 : 「開かれた社会」以後』ミネルヴァ書房(2014年) 山田広昭『ヴァレリー集成Ⅳ』筑摩書房(2011年) ポール・ヴァレリー『精神の危機』岩波文庫 を読む。 ポパーが説明する。 プラトンは、個人は全体のために存在するのであって、全…

読書日記131

カール・ポパー『社会と政治 : 「開かれた社会」以後』ミネルヴァ書房(2014年) 山田広昭『ヴァレリー集成Ⅳ』筑摩書房(2011年) 池田晶子『メタフィジカル・パンチ』毎日新聞社(2014年) を読む。 ポパーの哲学はやたらと難解なイメージがあったが、本書は読み…

読書日記130

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 140ページほど読み進める。 東電OL殺人事件や、売春問題などを「承認論」と絡めつつ考察がなされていく。 承認論については『正義論の名著』の要約で簡素にまとめた。 nainaiteiyan.hatenablog.co…

承認の必要性・貧困の脱定義

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ひとつ思い出した。 性風俗業は国民の理解が得られないと思われるため給付の対象にはならない、という事例があった。 おそらく、現在も一部の会社と国の裁判はつづいている。 本書では東電OL殺人…

読書日記129

原田和広『実存的貧困とはなにか : ポストモダン社会における「新しい貧困」』青土社(2022年)を読む。 アクセル・ホネットの「承認論」を基盤にした貧困の実証研究が書籍化された。 読まずにはいられない。 ホネットはナンシー・フレイザーとの論争で、「承…

遠回りの効用

すぐに役に立つ本はすぐに役に立たなくなる。 これは真理に近い。 そういう類いの本が100円コーナーに溢れている。 本当に役に立てばそんな惨めなコーナーに置かれることもないはずだ。 「この本は絶対に手放したくない」と読者に思わせることに見事に失敗し…

書きつづける

タイピングなので正確には「打ち続ける」になってしまう。 岡本太郎氏は毎日何かを積み上げることは無意味だと言った。 丹羽宇一郎氏は毎日何かをやることが大事だと言った。 僕は、完璧だと思う人はいない。 どんなに良い考えを持っている人も、自分とは違…

読書日記128

プラトン『メノン』岩波文庫 池田晶子『私とは何か』講談社 を読む。 バブル崩壊後にリストラされたサラリーマンに対して池田氏は言う。 そもそも人生が何事もなく事が進むほうが不自然であると。 人生そのものがサバイバルである。しかし、サバイバル自体、…

正しいと思ったことしか記事にしない

ソクラテスは処刑されてます。 でも世にはソクラテスの本が溢れています。存在しています。 何故でしょうか。 何故だと思いますか。 ソクラテスは悪だと思いますか。嫌なやつと思いますか。 僕は思いません。 池田晶子さんの受け売りになりますが、ソクラテ…

とりあえずやってから

最近は不調がつづいている。 とはいえ、最低限のことはできている気はする。 書くことだけは奇跡的につづいている。 今後の人生、書くことだけはつづくかもしれないと予感がする。 最近は文字を世に出すハードルが低くなった。 ブログ、SNS。 近年はkindleで…

Amazonに新品がなくても書店にある事もある

例えば鈴木信太郎訳『ヴァレリー詩集』岩波文庫。 Amazonで2000円弱。 しかし、僕はAmazonになくても本屋にあったケースを何回も経験している。 好機と踏んだメルカリ出品者が高値をつける。 これには注意したい。 在庫はあるかもしれない。 気をつけるべき…

抵抗力と寛容

生きづらい社会のなかで自分らしく生きるにはどうしたら良いか。 僕はタイトルを挙げてみた。 抵抗力とは、不正に立ち向かう力である。 哲学的に言えば不正とは悪である。 悪は善の反対である。 世の中、悪と知っていて悪を行う者はほとんどいないと僕は考え…

悪口の数だけ差別が存在する

という命題を掲げてみた。 僕は間違っていないと考える。 前の職場では日常的に悪口があった。 そして、悪口は無知が原因であると思われる。 大学生の頃に統合失調症の人がバイトに入ってきた。僕はドラッグストアでレジをしていた。その人は30代前半であっ…

運と実力を最考

湯浅誠『反貧困 : 「すべり台社会」からの脱出』岩波新書を読む。 逆境が良い方向に働く人がいれば、悪い方向に働く人がいる。 それを分かつものは何か。 どうすれば平等が叶うかを考える。 簡単に不可能なことが分かる。 顔が違う。親が違う。声が違う。 し…

後悔とは

後悔とは何を意味するのか。 「あの時ああすれば良かった」と今思うことによって後悔が起きる。 突き詰めてみる。 そう言う人は、あの時の間違えた時点から伸びる線の、「延長線上」に今いると思われる。 その証拠がまさに「ああすれば良かった」という表明…

読書日記127

中島義道『人生を<半分>降りる 哲学的生き方のすすめ』ちくま学芸文庫(2008年)を読む。 池田氏と違い、この方はアカデミックの世界にいる。 この本の内容としては、タイトルとはやや離れている印象である。 文章を書くことの意味について書かれていたり、今…

第十一章:能動的攻撃性

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 著者によれば能動的攻撃性( ≒ 計画的暴力)は善と悪のパラドックスを解くカギになるそうだ。 コーラント・ローレンツは、動…

プラトン『プロタゴラス』岩波文庫 読了

こちらのつづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 率直な感想としては、まず考察に非の打ち所があるように見えないソクラテスの証明法に驚愕。そしてそれを書き残したプラト…

第十章:クリストファー・ボームの説

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ボームは『モラルの起源』において人類は集団内の仲間の殺傷能力を恐れるように進化したという考えを示した。 ま…

読書日記126

プラトン『プロタゴラス』岩波文庫 池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 を読む。 池田氏が道徳の教科書を執筆した際、別の項目を担当している人の間違いを指摘する。 「言葉は金と同じ、言葉は交換価値だ」 これは間違いだと指摘する。 これを書いたの…

読書日記125

プラトン『プロタゴラス』岩波文庫を読む。 徳は人に教えることができるかどうか、というテーマについて延々と議論がつづく。 85ページほど読み進めたが、プロタゴラスが闘争心丸出しになり、それを察したソクラテスは一度ストップする。というところまで読…

とりあえず感じたこと

たまにタイトルに悩む。 とりあえず今日感じたことを書いてみたい。(読書と哲学メイン) まず立ち読みしたときのこと。 立花隆/佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』文藝新書 これをさらっと読んでみた。 立花氏がカントを批判している。 純粋理…

読書日記124

池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 ツルゲーネフ『父と子』新潮文庫 カント『純粋理性批判』岩波文庫 を読む。 僕はこの3人がある同じことを言っているのに気づいた。 教育について皆同じことを言っている。 池田氏は、池田小学校殺人事件のあとに国…

読書日記123

池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 カント『純粋理性批判』『判断力批判』『実践理性批判』(岩波文庫)を読む。 カントは絶対に理解できないと怯えながら導入部分を読む。 ところが、いきなり難しい言葉で攻めてくるような本ではなかった。 純粋理性は…

池田晶子とマルクス・ガブリエル

マルクス・ガブリエルといえば『私は脳ではない』が有名だ。 新実在論を唱える、現代の若き天才哲学者と呼ばれる。 この方と池田晶子氏が共通の考えを持っていることが分かった。 池田氏は深海魚に眼がない生き物がいることを指摘してこう言う。 「光が先に…

読書日記122

池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 ツルゲーネフ『父と子』新潮文庫 夕方はこの二冊を読む。 池田氏が幸福についてこう書いている。 人は自ら不幸になりたいと思う人はいない。 「不幸になりたい」と思う人にとっての不幸とは「幸福」である。 故に人…

帰結主義と人生

目の前のボタンを押せば5人助かり1人死ぬ。 なにもしなければ5人が死に、1人助かる。 どうすべきか。 結果から行為を判断する考え方を帰結主義と言うらしい。 トロッコ問題に限らず、人は無意識に似たことをしている。 「これだけやればあなたも合格」 こう…

第九章 : 2つの説

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自己家畜化について2つの説がある。 従順さは大昔から既に備わっていたとされる説。 もうひとつは大きな脳の副産物として従順さが備…

読書日記121

池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 埴谷雄高『死霊Ⅰ』講談社学芸文庫 シュライエルマッハー『独白』岩波文庫 この3つを読み進めた。 今まで学んだことを疑う。 それでも何パーセントかの知は生き残る。 そしてまた学ぶ。 数年後にまた疑う。 この過程…

読書日記120

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 池田氏は言う。 「私の本は読まなくていいからデカルトをカントを、ヘーゲルを読め」 本当にそう思っているのであれば、何故このような本を貴方は書いたのですか。 これは謙虚な気持ちから生まれ…