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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記428

松井裕美『キュビスム芸術史』のつづきと、 岡本太郎『原色の呪文』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com 岡本太郎は絵画とは何かを語る。(1957年「増刊美術手帖より) 歴史的に、芸術は時代とともに変容してきた。印象…

読書日記427

セルバンテス『ドン・キホーテ』のつづきをよむ。 nainaiteiyan.hatenablog.com ドン・キホーテはサンチョと食事の話をしながら、昔について語る。 因みに、セルバンテスはデカルトが若かった頃に亡くなっている (17世紀前半) ので、近代に突入した時期に生…

読書日記426

松井裕美『キュビスム芸術史』名古屋大学出版会 (2019年) を読む。 幾何学と芸術の融合。 中には歪な絵もあるが、素人ながらも、単純にキュビスム絵画には数学的な美しさを感じる。 また、抽象とは何かという哲学的な問いを与えてくれる。 抽象的、とは「一…

読書日記425

セルバンテス『ドン・キホーテ』のつづきをよむ。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今日も意識を飛ばしながらも、ページは飛ばさずにくらいつく。 読書は睡眠薬でもある。 朝は尚更眠くなる。 150項まで読み進める。 騎士道本が悪事に加担している為に焼却され…

読書日記424

セルバンテス『ドン・キホーテ』岩波文庫と、 フランツ・カフカ『城』のつづきと、 アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

読書日記423

フランツ・カフカ『城』のつづきと、 アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー カフ…

読書日記422

アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』白水社 (2020年) の再読を始める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 私のなかで、再読の重要さはいよいよ決定的なものになろうとしている。 今日は50項まで読み進めた。 主人公は師を必要とし、ニューヨー…

プラトン『ラケス』読了

こちらを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 結論としては、勇気は徳から説明することができるが、徳から勇気の全てを説明できない、という帰結至る。 勇気について、ソクラテスらは「忍耐強さ」や「知恵」等と絡めて論じていく。 知恵が伴わない忍耐…

読書日記421

ボーヴォワール『人間について』新潮文庫を読む。 実存主義哲学者サルトルの内縁の妻とされる人物である。 ここ数ヵ月はフランクル『夜と霧』と『虚無感について』を読んだときの衝撃から、実存主義とロゴセラピーに興味が湧いた。 nainaiteiyan.hatenablog.…

読書日記420

ボルヘス『語るボルヘス:書物・不死性・時間ほか』岩波文庫 (2017年) を読む。 読書について、ボルヘスの考えに触れることができた。 ヘルマン・ヘッセと同じように、ボルヘスも批評ではなく文学作品に触れることの大切さを語る。 nainaiteiyan.hatenablog.…

読書日記419

プラトン『ラケス 勇気について』講談社学術文庫 (1997年) を読む。 どうやったら子供に早く立派になってもらうことができるのか。 教育について、ラケスたちはソクラテスに問う。 ソクラテスは議論の細部を語る。 人は何かを学ぼうとし、それが身に付いたと…

読書日記418

フランツ・カフカ『城』のつづきと、 中島義道『哲学の道場』ちくま学芸文庫 (2013年) を読む。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー カフカの文章(あるいは翻訳者の)は読みやすい。 100項まで読み進める。 長い物…

読書日記417

岡本祐一郎『フランス現代思想史:構造主義からデリダ以後へ』中公新書 (2015年) を読む。 個人的に確認しておきたかったことは、何故フランスは実存主義から構造主義へと切り替わったのかということである。 結論としては、今の時点では確認することはでき…

読書日記416

仲正昌樹『続・FOOL on the SNS -反ポストモダンに物申す-』明月堂書店 (2018年) を読む。 こちらの続編となっている。 nainaiteiyan.hatenablog.com 本書を読むと、プロから見ると素人はどういう点において批評する能力がないのかが理解できる。 現代哲学で…

立ち読み日記6

社会学のコーナーに新しい本が置かれていた。 タイトルは忘れてしまったが、なにやらルッキズムに関する本のようだ。 パラパラめくると、現代を生きる若者の切実な訴えが書かれていた。 「マッチングアプリで人間不信になった」 とあった。 ようするに、顔や…

読書日記415

フランツ・カフカ『城』新潮文庫と、 ウンベルト・エーコ『文学について』岩波書店 (2020年) を読む。 ドストエフスキーの小説はあまりにも頭に入ってこないので再び挫折してしまった。 そのため、最近小説を読んでいないと感じつつあったところ、フランクル…

読書日記414

吉田裕『バタイユ 聖なるものから現在へ』名古屋大学出版会 (2012年) を読む。 バタイユの入門書を読んで、あまりピンとくるものがなかったので読んでみることに。 バタイユは、自分は哲学者ではなく聖者あるいは狂人だ、と述べた。 私は哲学ではなく陶酔と…

読書日記413

フランクル『虚無感について』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 再度自己実現について深く論じていく。 あくまでも、自己実現を目的としてはならないとフランクルは述べる。 何故ならば、副次的なものとしてのみ得られるものは決して直接的には…

読書日記412

フロランス・ド・リュシー『シモーヌ・ヴェイユ』のつづきをよむ。 nainaiteiyan.hatenablog.com ヴェイユは明らかに数学者の兄に影響を受けている。 彼女の本は神秘主義に傾いているようにみえるが、本書を読むとヴェイユは数学と植物学をかなり勉強してい…

アルゴリズムを逆に利用する

メルカリにはいろいろと法則があるみたいである。 例えばおもいきって値下げをしてみる。 するとその商品の閲覧数が上がる。 恐らくアルゴリズムが働いている。 向こうも商売でやってる。 売れれば向こうにも利益になる。 がんがん値下げをする。 勝手に広告…

読書日記411

フランクル『虚無感について』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 250項まで読み進める。 フランクルはサルトル『存在と無』から何を教訓とすべきか語る。 20世紀は科学の勃興の時代。 脳科学、生物学、心理学など、あらゆる方面から人間を説明す…

読書日記410

フランクル『虚無感について』のつづきと、 nainaiteiyan.hatenablog.com モーリス・ブランショ『来るべき書物』ちくま学芸文庫 (2013年) を読む。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー フランクルは価値と意味の使…

夢の解釈と科学と

本日、いわゆるハッピーな夢をみた。 それと同時に、生きる活力を手にした。 問わずにはいられない。 あの夢は何故起きたのか。 何によってあの夢を見ることができたのか。 夢とは解釈なのか。 記憶の整理なのか。 しかし、そういうことを長らく人類は考えつ…

読書日記409

アドルノ/ホルクハイマー『啓蒙の弁証法』岩波文庫 (2007年)、 ミシェル・フーコー『フーコー文学講義』ちくま学芸文庫 (2021年)を読む。 フーコーは「文学とは何か」という問いについて語っていく。 フーコーによれば、「言語・作品・文学」は三角形をなし…

読書日記408

仲正昌樹『ポストモダン・ニヒリズム』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com この本は恐ろしく難しい。 デリダによるベンヤミン解釈は、神話と暴力に関していろいろと論じられているが、『正義論の名著』を読んだことで若干理解することはできた。 …

読書日記407

モーリス・ブランショ『カフカからカフカへ』書肆心水 (2013年) を読む。 ブランショ、ベケット、バタイユ。 難解と言われる思想家の一人ではあるが、本書はそこまで抽象的なことを書いているわけではないように感じた。 ブランショがストーブと文学について…

読書日記406

フロランス・ド・リュシー『シモーヌ・ヴェイユ』白水社文庫クセジュ (2022年) を読む。 1909年から1943年の間を生きたフランスの哲学者の解説書となっている。 ヴェイユはマルクスの構築した体系を「天才的な思想」と評した。 唯物論が正しいのであれば、そ…

熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』読了

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 20世紀は「社会主義」というオルタナティブがあった。 しかし、ソ連の崩壊とともにポスト (後) モダン (近代) の時代が突入。 世界は資本主義の原理で加速した結果、何が起きたのかというと、それは前回や…

読書日記405

フランクル『虚無感について』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 150項ほどまで読みすすめる。 非常に深く、かつ哲学的な内容であった。 フランクルはマズローの「自己実現」を批判する。 マズローは環境について、「手段以上にはなり得ない」と…

読書日記404

熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 著者は田舎と東京の人々の行動の違いを語る。 著者によれば、東京は田舎と比べ信号無視が少なく、また立ち小便も少ないと語る。 それは東京…