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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記403

ロイ・リチャード・グリンカー『誰も正常ではない : スティグマは作られ、作り変えられる』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 100項ほどまで読み進めた。 精神医学がいかに人種差別と密接に関わっていたのかについて、うんざりするほど書かれて…

読書日記402

熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今日読んだ内容は、ホームレスの減少と福祉の関係や、宮台氏のサブカルチャーに関する話であった。 著者によれば、ホームレスの減少は福祉…

読書日記301~400

nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.h…

読書日記401

フランクル『虚無感について』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 100項まで読み進めた。 ロゴセラピーの人間に対する理解は以下の3つに反対するものであると書かれている。 ・汎決定論 ・ホメオスタシス理論 ・還元主義 汎決定論とはフランクル…

読書日記400

熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 第四章の途中まで読みすすめる。 全体としては、現代人はリスクにたいして神経質になっているのでは、という内容であった。 現代では「不健…

三木清『読書と人生』読了

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 後半は西田幾多郎に関する内容であった。 東洋的な思想に関する書物ばかり読むのではなく、西洋哲学も勉強する必要性を西田幾多郎は訴えた。 三木清は、好奇心溢れる西田幾多郎の気持ちの若さに尊敬の意を…

読書日記399

ロイ・リチャード・グリンカー『誰も正常ではない : スティグマは作られ、作り変えられる』みすず書房 (2022年) を読む。 文化人類学者が書いた、「医療化」に関する本がみすず書房から出てきた。 ジュホアンシ族という部族では、統合失調症と判定される人が…

立ち読み日記

今日は渋谷のジュンク堂に行った。 初めて渋谷のジュンク堂に行った。 7階の1フロアだけであった。 相変わらず広い。 とりあえず広さだけは印象的であった。 しかしながら、ちくま学芸文庫のラインナップは少ない。 全体的に文庫は少ない印象だった。 文庫は…

読書日記398

ヘルマン・ヘッセ『ヘッセの読書術』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 独特の言い回しに少しまいったが、なんとか100ページほど読みすすめる。 ヘッセは「類型論」のように読者を3段階に分類する。 第一段階は無批判な者。 第二段階は批判的な…

読書日記397

ヘルマン・ヘッセ『ヘッセの読書術』草思社文庫 (2013年) を読む。 50ページほど読む。 ヘッセは、いろんな本を手当たり次第に読まずに、じっくりと一冊の本を丁寧に読み込むことをすすめる。 考えさせられた。 というのも、今年はいろんな本に手を出しすぎ…

中身がない、とは

知識人は往々にして大衆文化を軽蔑する。 「A○B48の音楽は中身がない」 「最近の小説は中身が空っぽ」 池田晶子氏は「ないものはない」という、存在論的なアプローチから「ある」ものと「ない」ものとの間にある断絶について語った。 中身がない、とは何を意…

読書日記396

テリー・イーグルトン『文学という出来事』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com イーグルトンは、文学とは何かという漠然としたものを語る。 ある人間は「文学的虚構とはある命題を構成しなければならない」と述べ、ある人間は「作品内においてな…

読書日記395

テリー・イーグルトン『文学という出来事』平凡社 (2018年) を読む。 ウィトゲンシュタインはあらゆるゲームにおけるなんらかの単一な要素があるか考えた。 しかしながら、結論としては「無い」であった。 そして、唯一あるものは複雑に交差する「類似性」で…

読書日記394

池田晶子『オン!埴谷雄高との形而上対話』講談社 (1995年) と、 フランクル『虚無感について』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 埴谷雄高の『死霊』は簡単ではない。 故に、挫折して積読のままになっている。 池田晶子いわく、「あんな人は他…

読書日記393

フランクル『虚無感について:心理学と哲学への挑戦』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 74ページにはロゴセラピーの本質について書かれている。 ”ロゴセラピーの考えでは、自己超越は実存の本質である。実存とは、それがそれ自体ではない何かを…

今月の読書で考えるべきこと

生きづらさ、格差、分断、コロナ、戦争、自殺の蔓延。 賃金が上がらない。自己啓発に走る人が増える。 政府への不信。マスメディアへの不信。 フェイクの時代。アルゴリズムの時代。監視社会の時代。言論統制の時代。 確かに生きづらさは増している。 そこで…

HSPあれこれ

今日は地元の本屋やジュンク堂で本を物色。 やはり発達障がいやHSPに関する本が山ほど置かれていた。 HSPと具体的に謳っていなくても「繊細さん」という表現が目立つ。 出版社もビジネスで成り立っている以上、仕方がないとは思う。 出版社や編集者、作家や…

読書日記392

熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 著者は社会学と結びつけながら、日本の「医療化 ( ≒ 社会が病気をつくりだすこと) 」について語る。 前回にも書いたように、2010年代以降は…

読書日記391

エーリッヒ・フロム『生きるということ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com フロムは「持つこと = 所有」の観点から人間の心理について洞察している。 会話に関する考察が印象的であった。 考えを「持っている」ということは、換言すれば「ある…

読書日記390

フランクル『虚無感について:心理学と哲学への挑戦』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 「序に代えて」の章を全て読みきる。 この章ではフランクルの成した仕事やその背景について書かれている。 『夜と霧』は何故世に出たのか。 この章を読む…

読書日記389

熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今日読んだ内容としては、このブログでも書いたような、過剰とも言える電車の正確さや、渋谷スクランブル交差点に見られる日本特有の現象に…

人文の紀伊國屋、万能のジュンク堂、バランスの丸善、文庫の八重洲ブックセンター

今月も複数回、都内の大型書店をまわった。 そんななか抱いた印象を記録として残したい。 池袋のジュンク堂は在庫数が日本一とされている。 しかしながら、心理学書のラインナップは新宿紀伊國屋書店がダントツという印象である。 また、新宿紀伊國屋は文学…

読書日記388

鍋田恭孝『子どものまま中年化する若者たち:根拠なき万能感とあきらめの心理』幻冬舎新書 (2015年) を読む。 若者の生きづらさを擁護する本もあれば、若者を「情けない」と叱る本も多数ある。 私としては、この生きづらさは世界レベルで起きている問題と考…

読書日記387

熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』イースト・プレス (2020年) を読む。 1975年生まれの精神科医による、時代の診断書である。 本書は精神医学、心理学、思想、哲学等、様々な領域に繋がる興味深い内容となっている。 例えば…

模倣と心理

高級レストランではそれ相応の身だしなみが求められる。 同様に、綺麗なタワーマンションで汚い格好をすると浮く。 逆に、汚い環境で綺麗すぎる服装も浮く。 ジャングルのなかでスーツ姿はどうみても不自然。 そういうふうに感じる「感性」が人間にはあるよ…

読書日記386

鎌田正明『東大卒貧困ワーカー』新潮新書 (2017年) を読む。 BOOK・OFFでささっと立ち読みし、ルポルタージュであることから興味があり購入。 内容としては筆者の個人的な体験談というものであった。 とりあえず100ページ弱読む。 筆者はもともとアナウンサ…

読書日記385

斎藤環『ビブリオパイカ 斎藤環書評集1997-2014』日本評論社 (2015年) を読む。 精神科医で医学博士、今個人的に注目している斎藤氏による「本の本」である。 書店に行くだけでは本に関する情報は掴めない。 「本の本」は次に読む本への「案内人」でもある。…

読書日記384

エーリッヒ・フロム『生きるということ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com フロムの考察の対象である「所有」について読み進める。 フランスの文法学者であったデュ・マルセ (1676-1756) は、人間の意識を言語学の観点 から研究し、名詞の使用…

読書日記383

フランクル『虚無感について:心理学と哲学への挑戦』青土社 (2015年) 、 フロム『生きるということ 新装版』紀伊國屋書店 (2020年) を読む。 両者は混合しやすいが、フランクルは精神科医であり心理学者、フロムのほうは精神分析家であり、精神科医ではない…

読書日記382

『核兵器について、本音で話そう』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 眠気が普段よりも強かった。 意識を飛ばしながらも、なんとかページは飛ばさずに第二章の台湾に関する項を読み終える。 今日も基本的なことを学ぶことができた。 立ち読みし…