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読書日記410

ランクル『虚無感について』のつづきと、

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モーリス・ブランショ『来るべき書物』ちくま学芸文庫 (2013年) を読む。

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フランクルは価値と意味の使い分けについて語る。

価値は意味の一般概念であるというのである。

フランクルによれば、意味はユニークであり一般化することはできない。

 

 

これは非常に哲学的で考えさせられる。

価値と意味は同じような言葉であり、文脈によってはほぼ等価になることもままある。

例:(「それをやる意味ある?」≒「それをやる価値ある?」)

 

 

意味は唯一無二であって、価値はそうではない。

しかし、価値も唯一無二にみえて、意味はそうでもないようにみえる。

「人生は無価値だ」という言明と、「人生は無意味だ」という言明もほぼ同じようにみえる。

 

 

あまり深く考える必要はないようにも思える。

これは思想の次元であって、各々が勝手に決めればいい。

ただ、言葉の意味は可変的であるが、もしかすれば、「意味」という意味については不変なのかもしれない気はする。その意味において、価値とは一線を画しているように感じた。

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ブランショを理解できないのは、単に文学をちゃんと読んでいないからだと感じた。

日本の代表的な批評家であった小林秀雄の読書量は尋常ではなかったという話をどこかで聞いた。

 

 

自分は批評をしたいのか、哲学をしたいのか。

批評とは何か。

そう考えると、やはり哲学なのかもしれない。

 

 

つづく