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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記1335

読んだ本

吉田健一『文学の楽しみ』講談社学芸文庫 (2010)

ピーター・シンガー『私たちはどう生きるべきか』ちくま学芸文庫 (2013)

その他数冊

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日記

 

久々に長い時間、書店を歩き回った。BOOK・OFFの店内もウロウロしながら本を貪り読んだ。

気になる本はいくつかあった。

 

 

白陽社の『WEIRD』や、

ジョセフ・ヘンリック『WEIRD 「現代人」の奇妙な心理』白揚社 (2023)

 

 

NHK出版から出ている『善と悪の生物学』も気になるところであった。

ロバート・M・サポルスキー『善と悪の生物学』NHK出版 (2023)

「しかし待てよ」と内なる声が聞こえてくる。

この本を読んだ自分は、安易にあれこれ手を出すことに躊躇した。

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結局のところ、それぞれの本には多少の独創性はあるかもしれないが、焼き直しに過ぎないのではないか。

『善と悪のパラドックス』では「ネオテニー」という概念や「自己家畜化」といった理論を自分は学んだ。

 

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

それ以降、生物学と道徳哲学を結びつけるような、大きなインパクトのある理論や本が出ていないのが実感だ。

であれば、結局焼き直しに過ぎないのではないか、この本を長い時間かけて読むことは意義あるのか、といった疑問が浮かんでしまうのであった。

 

 

心理学の本も、なんとなく面白そうな気はするが、それに似たような本は、自分はかなり読んでいると思っているので、やっぱり止めようとという気になってしまった。

 

 

以下のような本を読んできたので、そこまで大きな発見はないかもしれないなと感じてしまった。

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何か面白い本はないか、何か刺激的な本はないか、うろうろしてしまった。

政治コーナーの前では「こんな本を読んでいるうちに自分も下らない人間になってしまう」と躊躇してしまった。

歴史系も、宗教社会学の理解がある程度進んだので今は興味が薄れてしまった。

社会学系のコーナーも、ヘイト本がある程度目立ち、嫌気がしてしまった。

 

 

哲学書も今日はパッとしなかった。

結局、BOOK・OFFで気になる本を数冊買って買えることにした。

 

・・・

『文学の楽しみ』

 

メモ

"丁度その頃に言われ始めた文学とか、芸術とかということがこうした一般の例に従って無目的であることを看板にしたのは、凡てが余りに何かの為であることになっているのに対する反動だったのかもしれない。" P146-147

 

 

書店で立ち読みしているときに、「学問の自由が危ない」という声に対する批判の書を見つけた。

「中国のようにまではいっていない。日本では職を降ろされるようなことは一切ない」

予算が理系のほうに高い割合で配分されようとも、「成果」が求められるのだから当たり前じゃないか、英文学の研究者はなんの成果を出しているんだ?といった論調であったが、自分は成果主義はどこまで正しいのか、よくわからない。

全てが民間化、競争化されれば文学部は無くなるのだろうか?

難しい。

 

 

どんな本にも批判的な視点は持ちつつも、良い点をついている本は少なくない。

良い立ち読みの時間であった。

 

"我々が何か考えるのは言葉によってであり、寧ろ我々にとってまだ言葉にならないものの為に言葉を探すのが考えるということなのであって、これを重ねて行って或る段階に達した時に、そこで得た言葉で我々は何ごとかを認識する。" P154

 

池田晶子も似たようなことを書いていた記憶がある。

まだ言葉になっていない状態から、言葉によって認識に到達する。深い。

 

"そうすると、我々が本気でものを考えている時には文学の仕事をしていることになる。" P155

 

・・・

『私たちはどう生きるべきか』

 

第七章「お返し戦術」を読み終えた。

概ね、この章はゲーム理論からなにが言えるか、という話だったよう思う。

「やられたらやり返す」というのがゲーム理論では有効だとされる。

ただ、その説明だけではあまりにも単純すぎる。

本書はもう少し深く掘り下げられている。

 

・過去に攻撃をしてきた人間が突如善行を行ってきた、さてどうするべきか。

・最初はやられてもやり返さない。何回目か以降に「やられたらやり返す」のほうが正しいのではないか?

 

といった事例について考察されていた。

後者の場合、ヒトラーベルサイユ条約を破り、結果的に連合国は「5回目以降くらいには一度やり返す」となったが、「それでは遅すぎた」ということが示された、といった内容であった。

なかなか学びのあった読書時間であった。

 

 

つづく

 

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関連図書

 

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