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佐藤優『いま生きる「資本論」』新潮文庫 (2017) 読了

引用元:版元ドットコム

つづきを読み終えた。

 

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感想

 

 

20代半ばは自己啓発、ビジネス書の類いを一生懸命読んでいた。

しかし本書を読んで、それらに書かれていた情報の9割ほどはマルクス資本論』で語り尽くされていると感じた。

例えば瀧本哲史が書いていた「人間のコモディティ化」は勿論のこと、あと有名どころでいうと勝間和代氏の「スペシャリストになれ」といった言説はほぼ150年前から分かっていることであった。

 

 

・・・

 

本書における講義で使用される『資本論』の抜粋を読むと、肩がこるネチネチした文章の羅列であるように感じた。

そこまで難解ではないにせよ、それが9冊にわたって延々と続くので、よほどの好奇心や関心がないと読み通すことは難しいように感じた。

佐藤氏は『資本論』の魅力として、多義的な読み方ができる点を挙げた。

 

 

儲けるために経営者が読むのもよし。

現代社会の構造を把握するために読むのもよし。

レーニンの帝国論と関連づけて読むもよし。

 

 

そういう意味では、今後なにかのきっかけで『資本論』を手に取るときがあるかもしれない。

 

・・・

 

この厳しい資本主義に立ち向かう方法として、佐藤氏は資本主義の論理が働かない世界を模索することを提案する。

端的に、自家栽培であったり、譲り合いであったり、小さな趣味を楽しむことでも良い。

 

 

なにをして生きたいか。

こういう問題を資本主義の外側で考えることの大切さを改めて感じさせられた。

 

 

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