今週のお題「最近おもしろかった本」
もののけ姫を観てから自然と人間の関わりかた、人間の在り方、資本主義と労働、人生について再度横断的に考えてみようと思うようになった。
まず宮崎駿の『折り返し点』を読む。
映画の「意味」と現実の不可知性について考えさせられた。
メッセージに曖昧さを残しつつも思考させる余地を与える。
この発想に深さを感じた。
「現実の不可知性」について書いていた小林秀雄と交差し、次に小林秀雄を読む。
小林秀雄から深く読むことの大切さを学んだ。
それと同時に、文学には何ができるのかという問いが消化できずに私のなかで沈殿物となった。
次にイーグルトン『文学とは何か?』を読む。
結局のところ言葉の意味は言語の外側にはないという、フッサール現象学が行き詰まった理由が理解できた。
それと同時に、言葉の絶対性について私は若干の信頼がわいてくる。
そして言葉の絶対性を絶えず退けることのなかった池田晶子を再読した。
プラトン至上主義に陥らないためにも、一応プラトンの批判についても読んでみることにした。
それと同時に認識論にも関心を抱き、もののけ姫は『デカルトからベイトソンへ』の読書へと私を向かわせた。
深い読書をしながらも、限りある時間のなかで浅く広く読むことも行った。
『デカルトからベイトソンへ』を読み終えた頃には、自分の課題についても考えるようになった。
そして荒木優太氏の本に共鳴する。
ざっくりと書くとこのような流れとなった。
もちろん全て「面白い本」である。
温故知新。
古典と現代の知を反復しながら流動性のある世の中にある普遍性を見定めたい。
現在は林達夫に関わる本を読書中である。
本には何ができるか。
自分には何ができるか。
言葉には何ができるか。
個人としては、池田晶子と小林秀雄の仕事をもっと深い次元で理解できるようになりたいところである。
そして以上の問いをさらに具体化、細分化し、私は日々できることを地道に行っていきたい。