つづきを読み終えた。
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感想
190の魂から紡がれた言葉たちと向かい、人間存在と文明の矛盾を痛感した。
前者が「部分」で後者が「全体」であるならば、ゲシュタルト理論の如く、全体は部分に還元することができず、両者はフラクタル構造の関係にはない。
この事実が様々な哲学者の残した思想と共鳴する。
池田晶子は「存在の真実、それは存在の内容と形式が矛盾することである」と言ったが、深いところで西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一」と繋がっているように思う。
社会学者の宮台真司氏も『崩壊を加速させよ』のなかで同じことを書いていた。
個人的によく分からなかったルネ・ジラールの問題意識についても、それはモリス・バーマンやベイトソンの思想に通ずるものがあると感じた。
ジラールも、彼らと同じで「神の不在」によって失われてしまった使命、大きく捉えれば「人類の課題」というものを最後まで思索したとされる。
ギリギリのところで思索者たちの点は線になっている。そういうものを本書から感じとることができた。
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メモ
ピカソの「破壊の思想」⇒情熱とは不可能に挑みつづける意志
シラー「美とは(・・・)現象における自由に他ならない」
執行草舟「勇気だけが(・・・)人生を築くのである」=小林秀雄「教養なんかどうでもいいんだよ、今の日本人に足りないのは勇気だ」
執行草舟「死を恐れる人間は、生きることをしなかったのだ」
執行草舟「正しいと思われるものほど、恐ろしいものはない」
執行草舟「見えるものに価値を感ずる者は、この世の誘惑に必ず敗北するだろう」
アンドレ・ジッド「人は幸せになるために生まれてきたのではない」
執行草舟「美しく優しいものは、人間の欲望と権利を助長する結果にしかならない」
執行草舟「この人物は、何らかの希望によって動くのではない。運命がこの人物を動かしているのである」
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