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エムラン・メイヤー『腸と脳』紀伊國屋書店 (2018) 読了

引用元:版元ドットコム

つづきを読み終えた。

 

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日記

 

腸内細菌の多様性が精神疾患と大きく関係があることが理解できた。

最も印象的な情報は、人それぞれが人それぞれの多様性を持っており、約10パーセント程度しか同じ種類の細菌を共有していない点である。

言い換えれば、数ある微生物のどのような組み合わせが人類にとって最適なのかという問いには答えが複数存在することを示唆する。

 

・・・

 

本書は腸内細菌と脳の「関係」について着目している点が特徴であるとあとがきで書かれていた。

腸というものは生理学や精神医学の観点からも未解明の現象が多く、2010年代は腸関係の本が多数翻訳されもし、ある種の流行となった。

(『失われてゆく、我々の内なる細菌』等)

 

・・・

 

また、本書を読むことで資本主義と農業の構造や、乳酸菌食品の謳い文句に対して批判的な視点を持つことができた。

例えば飼育場は自然本来の生態構造を無視した、利益最優先の原理で動いている。

しかし、まだ未解明なところが多すぎるので(添加物と腸内細菌の多様性にどういう関係があるのかなど)、深追いすることは大きな犠牲も伴う。

 

 

頭の片隅に入れておこうという理解で妥協せざるを得なかった。

また、乳酸菌飲料やヨーグルトを摂ることで腸内細菌の多様性が増すことはほぼないと思われた。気休めに過ぎない。

 

 

腸のなかの細菌の数は宇宙に存在する星のように膨大であり、やはりおおげさではあるが体内はひとつの宇宙であると思われた。

そして、この宇宙が解明できるほどの力を科学は持っていない。

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