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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記1197

読んだ本

アラン『わが思索のあと』中公文庫 (2018)

デューイ『民主主義と教育 上』岩波文庫 (1975)

プラトン『国家 上  改版 』岩波文庫 (2008)

 

ルネ・ジラール『欲望の現象学 <新装版> 』法政大学出版局 (2010)

吉田文『文系大学院をめぐるトリレンマ』玉川大学出版部 (2020)

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日記

 

アランはヘーゲルを読んでプラトンへ戻り、カントを読んでもプラトンに戻る。

プラトン『国家』を何回も読み直していたアラン。

自分も『国家』を読みたくなった。

 

 

トラシュマコスは「不正を行う者は正義を行う者よりも幸福だ」と語る。

独裁者が最もこれに相当する、と。そして支配者は被支配者から財産をまきあげ、何事もちょろまかしお金をごまかすことが可能となる。

不正を行うことは全て自分自身の利益になり得になる、と。

正しいことというのは、所詮強い者の利益にしかならない。

であれば強くて不正を行う者は幸福である、と。すなわち独裁者は最も幸福である、と。

 

 

ソクラテスの反論の仕方が相変わらず独特で面白い。

医学は人を治す技術であって、そこから対価を得ることは医学の技術ではない。

大工は家を建てる技術に長けるが、そこから対価を得ることは大工の技術ではない。

つまり、専門家が対価を得ることは別の技術と合わせる必要がある。

 

 

では、報酬というものがそれぞれの技術に加わらないとしたら、専門家が自分の技術から利益を得ることはできるのか?

トラシュマコスは「ない」と言う。

ソクラテスは「では、そのように無償で仕事をするとき、他人に利益を与えることはできるのではないか?」と言う。

トラシュマコスは「あると思う」と言う。

ソクラテスは、であれば支配者も自分の利益をもたらすのではなく、他人に利益を与える、と言う。

 

 

この話のもっていきかたには関心するが果たして論理的欠陥はないのか?

次に持ち越し。

 

・・・

 

『文系大学院をめぐるトリレンマ』を読む。

読んでいて見事に「大学院という教育システム」と「大学院で学ぶ者」と「院卒を受け入れる企業」の間で歯車が噛み合っていないと分かる。

デューイは『民主主義と教育』のなかで社会と教育の統一性について考察している。

読んでいていろいろと学びになる。

今の日本は民間と公が噛み合っていない。

この揺らぎ、ズレ、ぶれが縮小すれば社会と教育が相乗的に効果を発揮すると思われた。

 

 

ジラールの欲望理論はやはり面白い。

専門書はやはり予備知識が欠かせない。

ひとまず欲望の三角形理論はおおむね理解。

たしかFacebook創始者の友人だったか、Twitter創始者の友人だったかは忘れたがジラールから直接学び、ビジネスへと活かしたそうである。日経BPから出ている『天才読書』(2022) に書かれている。

そして、驚くべきはジラールが生きた長さだ。

1923年に生まれ2015年まで生きていた。まさか自分もジラールが生きていた時代に生きていたとは。

思想は語り継がれ、書物は読み継がれる。

人類の叡知に畏敬の念を抱く。

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