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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記1196

読んだ本

教育哲学会 編『教育哲学事典』丸善出版 (2023)

ジョン・デューイ『民主主義と教育 (上) 』岩波文庫 1975

池澤夏樹『ぼくたちが聖書について知りたかったこと』小学館 (2012)

 

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日記

 

今日はデューイを読みたい気分だったのでこちらをメインに読んだ。

デューイの思想とプラトンの考えはある点で一致している。

各々の能力が各々の適する場所で発揮できる社会が理想的であるという構想は、「固定的な社会階級のうえで」という条件を除けばプラトンと一致している。

 

 

読んでいくうちに、プラトンの思想を現代流にアップデートさせるため、デューイは民主主義と教育の関係について深く考察していることが伝わってくる。

変化の激しい世界で民主主義と教育はいかにあるべきか。非常に大きな問題であるが、1ページ1ページが読んでいて勉強になる。

 

その前に一旦、『教育哲学事典』でデューイの構想について調べた。

"逆に言えば、人々の間で目的や関心が共有されず、自由なコミュニケーション的交流を妨げる障壁が多くある社会は、非民主的社会である。" P377 (『教育哲学事典』)

 

"民主主義は広い意味で教育的営みである" P377(『教育哲学事典』)

 

当たり前なのだが、当たり前のようにできていないと思われるのが政治的なコミュニケーションだと思われる。

ネットと民主主義については膨大な書籍があるが、どう考えてもSNSは政治的な場としてはふさわしくないと思わざるを得ない。

ソクラテスプラトンの時代では議論というものがオープンであった。

今は専門家同士で閉鎖的に議論されているように見える。

政治における公共性というものを再度考えさせられる。

 

"すべての成員が等しい条件でその社会の福祉に関与できるように条件が整備され、いろいろな形の共同生活の相互作用を通じてその制度を柔軟に調整し直すことができるようになっているような社会は、それだけ、民主的なのである。(・・・)そのような社会には、人々が社会の諸関係や統制に自ら進んで興味をもつようにし、混乱を引き起こさないで社会変化をもたらすことができるような心の習慣を身につけるようにするような、そういう種類の教育が必要なのである。" P160 (『民主主義と教育 上』)

 

政治的に関心の高い国は国民の豊かさと比例するだろうか。

比例するのであればその結果と原因を構成するものとして何が挙げられるだろうか。

いろいろと調べてみたいことが増えてきた。

つづく

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