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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記295

ヴィクトーア・フォン・ヴァイツゼカー『自然と精神/出会いと決断 ある医師の回想』を100項弱まで読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 圧覚と呼ばれる感覚の閾値可変性について話が進む。 院試の勉強をしていたときに、ヴェーバーの法則などいろいろ覚えたこ…

閾値と価格とメルカリ

これからメルカリを始めてみようと思う方にアドバイスをしたい。 徐々に温度を上げても蛙は気づかずに茹で上がってしまうというのは有名だが、これは人間の心理にも当てはまるのではないかと思う日々である。 消費税が10%となってだいぶ時間が経った。 私た…

読書日記294

ヴィクトーア・フォン・ヴァイツゼカー『自然と精神/出会いと決断 ある医師の回想』法政大学出版局(2020年)を読む。 分厚いので感想は次回に書き残す。 精神医学に関する、今日思ったことをだらだらと書きたい。 僕は「脳科学的に正しい生き方」という言葉を…

読書日記293

岡本太郎『自分の中に毒を持て』と、 池田晶子『考える日々』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 池田氏の朝日新聞に対する批判は痛快だ。 「ひらけ」 というキャッチコピーに呆れる。 「ああ、やっぱり今までひらいていなかったね」と。 大衆を…

メルカリと安物買いの銭失い

基本的に値段交渉や即購入など、ルールを作らずに私は出品し、譲っている。 しかし、ひとつの社会実験としてやってもいる。 思うことはいろいろとあり、日々積み上がっていく。 私はほとんどの本は大型書店で惜しまずに新品で高い本を買っている。 結果的に…

読書日記292

松岡正剛『理科の教室 千夜千冊エディション』と、 池田晶子『考える日々』のつづきと、 亀山郁夫『人生百年の教養』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com 木を見て森を見ず。 しかし、その木も100年単位でわずかに身…

読書日記291

リヒテンベルク『リヒテンベルクの雑記帳』のつづきと、 亀山郁夫『人生百年の教養』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com リヒテンベルクの読書法について読む。 自らの思想体系 (≒価値観) と常に結びつけながら読む…

読書日記290

亀山郁夫『人生百年の教養』講談社新書(2022年)を読む。 著者はドストエフスキー等を研究したロシア文学者である。 『罪と罰』を読み終えたときに、著者は正直でいることについて考えさせられたという。 個人的な話では、本日公務員試験の面接があった。 面…

読書日記289

一色清『メディアは誰のものか:「本と新聞の大学」講義録』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 池上彰氏が何故わかりやすさにこだわるのかを語る。 彼がキャスターの頃、原稿を見て分からないことがあった。 自分でも分からないのなら、視聴者に…

読書日記288

一色清『メディアは誰のものか:「本と新聞の大学」講義録』集英社新書 (2019年) を読む。 公共の利益についてちびちびと考えてきた。 いよいよ明日、公務員試験の面接をむかえる。 勿論、公務員になれるとは思っていないので、やれることはやる、それだけだ…

杉山大志『「脱炭素」は嘘だらけ』読了

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 細かい内容は専門的で込み入るので割愛。 本書は実践的な内容でありながら思想的な部分も持ち合わさせた、内容の深いものであった。 事実に基づいて、著者は地球温暖化にまつわる嘘や、政府、NHKが発信す…

読書日記287

杉山大志『「脱炭素」は嘘だらけ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 150ページ項まで読み進める。 端的に言えば、以下の通りであった。 ・30年前の予測 (2020年についての予測) は現実と大きく外れた ・産業革命時と比べて地球の平均気温は0.8…

読書日記286

ジョン・ロールズ『政治的リベラリズム増補版』筑摩書房(2022年)を読む。 公益とはなにか、というテーマをこの一週間ちびちびと考えつづけてきた。 そして、次にはやはり公共哲学へと迂回する。 ジョン・ロールズの原理は「公正な請求権」「公正な機会平等」…

読書日記285

杉山大志『「脱炭素」は嘘だらけ』産経新聞出版(2021年)を読む。 キャノングローバル戦略研究所研究主幹の人物が書いた本となっている。 HPで確認したところ、専門分野は環境・エネルギー政策と書いてあった。 100ページまでにハッキリした内容を端的言えば…

喫茶店のソフトドリンクの氷を早く溶かす方法(仮)

ストローを使い、コップ内で円を描くように全体をぐるぐるまわす。 物理的に正しいのではないか、と思ったのですが熱力学等に詳しくないので、もしこの記事を見ている物理に強い方がおられましたらコメントお願い致します。 というのも、缶ビールを冷やすと…

読書日記284

酒井敏『京大的アホがなぜ必要か』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 前回の記事で、独立行政法人化に伴い日本の論文数が減ったと書いてしまったが、正確には「世界シェア」の論文数が減ったということであった。ひとつ訂正したい。 著者によれ…

読書日記283

酒井敏『京大的アホがなぜ必要か:カオスな世界の生存戦略』集英社新書(2019年)を読む。 午後は難解な本を読んでバタリとそのまま寝てしまった。 読書はそういう意味でもリラックスできる活動なのだなと実感。 本書では、日本のアカデミックな世界においても…

読書日記282

野口雅弘『忖度と官僚制の政治学』青土社(2018年)を読む。 現代の日本は、度々官僚や政治の問題などがニュースで取り上げられる。 著者によれば、政治思想史の研究者たちが官僚制について書くことはあまりなかったとされる。 官僚制は近代化によって必然的に…

積読の効果

背伸びして難しい本に手を出す。 しかし全く分からない。 結局放置して積読になる。 そして挙げ句の果てに売ってしまう。 僕はこういうことを何回も繰り返している。(現在進行中) しかし、最近になって積読の効果を実感しはじめた。 「記憶に残る」 これに尽…

読書日記281

三木清『三木清大学論集』講談社学芸文庫 を読む。 三木清はソクラテスの話を引用しながら、「哲学は政治ではないにせよ、教育でなければならない」と言う。 ソクラテスはひたすら真理を求めた。 三木氏は、彼は真理や価値観を押し付けることなく、ただひた…

読書日記280

今野晴貴『ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』集英社新書(2020年)を読む。 この一週間ほど、公益とはなにかをちびちびと考え、無駄な長時間労働を減らすことは公益であると考え、教員の長時間労働に着目してきた。 次に、民間企業のこともいろいろと考…

読書日記279

神内聡『学校弁護士:スクールロイヤーが見た教育現場』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 第三章は虐待について、現状と問題点があぶり出された。 著者によれば、児童相談所や警察は事件性が強いと判断しなければ基本的に動かないという。 そし…

読書日記278

神内聡『学校弁護士:スクールロイヤーが見た教育現場』角川新書(2020年)を読む。 教員免許と弁護士資格の二つを保有し、教育現場で教師として働いている自称「日本初」の人物が書いた本である。 導入部分から一章を読み、法律と実務のせめぎあいを覗く。そ…

読書日記277

熊谷徹『日本とドイツ二つの「戦後」』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 著者は、100%ドイツの真似をすべきではないと言いつつも、ドイツから学ぶべき事をいろいろと語る。 歴史リスクという言葉を著者は使う。 従軍慰安婦問題が例として挙げ…

長時間問題あれこれ

頭の整理をしたいので、仮説を書いていきたい。 何故日本は長時間労働がまかり通っているのか。 まず、当たり前だが、全ての企業が長時間労働をしているとは考えていない。 しかし、マクロ的にはドイツと比べ日本は生産性が低く、一人あたりのGDPは低い。 こ…

読書日記276

熊谷徹『日本とドイツふたつの「戦後」』集英社新書(2015年)を読む。 この数日間、公益とは何かということをちびちびと考えてきた。 無駄な長時間労働を減らすことは公益になると僕は考えた。 日本の教員は長時間労働問題を抱えている。 まずはその原因を調…

ラブ&ドラッグを観る

今夜、晩酌をしながら映画を観終える。 画像引用:映画.com URL : https;//eiga.com/movie/55881/ あらすじはベタなラブコメかもしれない。 弟は経済的に成功しながら、兄である主人公はどうしようもない、チャラチャラ女遊びに耽る、いわゆる「クズ男」「ダ…

読書日記275

松井忠三『無印良品の教え 「仕組み」を武器にする経営』角川新書(2021年)を読む。 僕は前回の記事で生産性と労働時間について少し考えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ヒントを得るために、次に僕は民間企業の創意工夫に関して読み漁ってみた。 本書はタ…

読書日記274

隅田貫『ドイツではそんなに働かない』角川新書(2021年)を読む。 今度は日本全体の長時間労働について考えてみた。 ドイツと日本は境遇や物理的条件、地理的条件など共通する点が多い。 第二次世界対戦に大敗したこと、人口が同じくらいであること、国土が同…

読書日記273

妹尾昌俊『教師崩壊』PHP新書(2020年)のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 前回では、個人的な見解として、教員の長時間労働の原因はマネジメントにあるのではないかと推測した。 今日さらに読み込んだ結果、少しズレていると感じた。 神林寿幸氏…