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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記272

広井良典『持続可能な医療 超高齢化時代の科学・公共性・死生観』ちくま新書(2018年) を読む。 引き続き公益についてちびちびと考える。 導入部分と序盤をささっと読む。 医療費の費用対効果についてデータと共に、アメリカの健康について言及される。 アメ…

読書日記271

妹尾昌俊『教師崩壊』PHP新書(2020年)のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 僕は教員の長時間労働問題に着目してみた。 生産性が変わらなければ、労働時間は少ないことに越したことはない。 本書によれば、悪循環に陥っているとのこと。 教員に対す…

読書日記270

妹尾昌俊『教師崩壊』PHP新書(2020年) 丹羽宇一郎『日本をどのような国にするか 地球と世界の大問題』岩波新書(2019年) を読む。 公益とは何か、ということを今日もちびちび考えてみた。 バイアスがかからないように、なるべく大局的に考えることに努めた。 …

読書日記269

村木厚子『公務員という仕事』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 僕は公益というものを昨日からちびちびと考えていた。 「労働時間を減らし、身体へのダメージを軽減させることも公益にあたるのではないか」 と思っていた。 そして、今日腑に落…

読書日記268

柳与志夫『文化情報資源と図書館経営 新たな政策論をめざして』勁草書房(2015年) 村木厚子『公務員という仕事』ちくまプリマー新書(2020年) を読む。 障害者枠で公務員試験を受けた。 筆記試験がパスできたので、次は面接になる。 僕は「公益」とは何か、と…

生きづらさあれこれ

何故生きづらさを抱える人が多いのか。 少し考えてみてた。 日本は部分的に「価値観押し付け社会」でもあるように思われる。 同調圧力という言葉がある。 これは、ある角度からみれば「私たちの価値観に従うべきである」という意識が隠れている。 従って、こ…

読書日記267

松岡正剛『日本的文芸術 千夜千冊エディション』 選挙ウォッチャーちだい『「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?』のつづきと、 nainaiteiyan.hatenablog.com 大江健三郎『作家自身を語る』 を読む。 僕は「ただ文章を読みたい」時があれば、「なにか…

読書日記266

選挙ウォッチャーちだい『「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?』新評論(2022年)を読む。 だいぶ前だが、テレビを付け、たまたま政見放送が流れていたときに、ホリエモンと党首の立花氏が演説していた。 当時は政治に関心が薄かったので、よく分からな…

神代健彦『「生存競争」教育への反抗』読了

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 端的にまとめると、経済的に行き詰まった日本を打開するには「教育」しかない、と考えている政治家や官僚が少なからずいる。 現代の教育理念はイノベーションを日本に起こすため、「小さな起業家」を育て…

読書日記265

神代健彦『「生存競争」教育への反抗』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 著者によれば、国の教育方針は端的に「高度な要求」を子供たちにしているとされる。 方針として、子供たちに「人生の幸福」と「社会貢献」の同時達成を掲げている。 結局…

読書日記264

尾崎真理子/聞き手・構成『大江健三郎 作家自身を語る』新潮文庫(2013年)を読む。 本屋さんに行くと、文芸評論コーナーに講談社から『大江健三郎と「晩年の仕事」』という本が並んでいた。 この本を何回も本屋で遭遇したのちに、僕はこの方が気になって仕方…

立ち読み日記3

がんばらずにうまく生きるにはどうすれば良いのか、という内容の本をささっと立ち読みしてみた。 「嫉妬にもメリットがあります」 というようなことが書かれていた。 それ以外にも、マイナスな出来事をプラスに捉える方法について延々と書かれていた。 これ…

読書日記263

神代健彦『「生存競争」教育への反抗』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今教育が抱える論点を理解することができた。 著者は、近年の日本は「教育依存症」に陥っていると指摘する。 特徴として、子供に対する過度な教育への期待や投資、学校不…

読書日記262

神代健彦『「生存競争」教育への反抗』集英社新書 (2020年) を読む。 端的に言えば、「教育には限界があるので、日本を変えるには教育だ、と安易に言わないで」ということを訴えている本である。 格差や日本の政策についていろいろと考えさせられる本である…

読書日記261

潮匡人『日本人として読んでおきたい保守の名著』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com ハンナ・アーレント氏の章を読む。 『全体主義の起源』や『人間の条件』の著者であり、後者はちくま学芸文庫を取り扱っている本屋さんであれば高確率で棚に置…

読書日記260

アンドリュー・W・ロー『Adaptive Markets 適応的市場仮説:危機の時代の金融常識』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com チャレンジャー号爆発は効率的市場仮説を端的に表すものであった。 1934年、エズキールという学者が「クモの巣理論」から活…

読書日記259

潮匡人『日本人として読んでおきたい保守の名著』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今日はチェスタトン『正統とは何か』の項目を読む。 彼は、歴史的に人間を正気に保つことができたのは神秘主義によると述べた。 また、狂人とは理性を失った人…

読書日記258

アンドリュー・W・ロー『Adaptive Markets 適応的市場仮説:危機の時代の金融常識』東洋経済新聞社(2020年)を読む。 金融市場を数理モデルではなく、生物学のモデルから説明することを試みた本である。 導入部分では「効率的市場仮説」について書かれていた。…

読書日記257

妹尾武治『未来は決まっており、自分の意志など存在しない 心理学的決定論』光文社新書(2021年)を読む。 心理学を学んだ人にとってリベット実験は有名だ。 意志が形成される前に脳が先に働いていたことが示された。 また、この根拠をさらに強化するものとし…

読書日記256

石戸諭『東京ルポルタージュ 疫病とオリンピックの街で』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com ユーチューバー令和タケちゃんの話が印象的であった。 母親は病気のため祖国に帰ったまま、父親は病気で亡くなる。 その時にまわりの人が彼を支援した…

あなたの長所短所は何ですか?問題

僕はこの質問に辟易している。 「それは何において、何に対するものでしょうか」 と突っ込みを入れたくなる。 質問をする側の質を問いたい。 しかしこの質問の本質はそこではないと思われる。 要するに、自分を客観的に見れているかどうか試されている。 そ…

読書日記255

オリヴィエ・ブランシャール『格差と闘え 政府の役割を再検討する』のつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 第9章「現代のセーフティーネット」の項目において、子育てにコストをかけることで、長期的には大きな国益になる「エビデンス」が積み…

読書日記254

森本あんり『異端の時代 正統のかたちを求めて』岩波新書(2018年)を読む。 反知性主義の先に何があるのか?というテーマのもと、現代社会の「正統」と「異端」を宗教的な背景を鑑みながら洞察する内容となっている。 ポピュリズムや民主主義に関する本はいろ…

読書日記253

潮匡人『日本人として読んでおきたい保守の名著』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 二章はトクヴィルを扱う。 彼の著書『デモクラシー』は福沢諭吉にも読まれたのだそうだ。 著者によれば、トクヴィルはバークの思想を受け継いだ人物とされる。…

大野和基『オードリー・タンが語る デジタル民主主義』読了

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com デジタルを持ってデジタルを制する。 台湾の力強さを感じさせる一冊であった。 日本では「民主主義が危ない」「シルバー民主主義」「くじ引き民主主義」等、民主主義に危機感を感じさせる本が沢山ある。 …

読書日記252

大野和基『オードリー・タンが語る デジタル民主主義』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com プラットフォーム「Join」について再び語られる。 市民が発案した案に5000人以上の賛同が得られれば、必ず政府は書面で回答しなければならないという、政…

読書日記251

潮匡人『日本人として読んでおきたい保守の名著』PHP新書(2011年)を読む。 保守という言葉はなんとなくわかったつもりではいたものの、もう少し知りたいと思い読むことに。 本書はPHP新書15周年の企画で発案されたものであり、長い時間をかけ入念にどの本を…

読書日記250

大野和基『オードリー・タンが語る デジタル民主主義』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 台湾がここまでコロナ禍の混乱をうまく乗り切った理由として、SARSの失敗が生かされていることが理解できた。 2000年代前半においては、台湾も政府に対す…

読書日記249

アシュリー・ミアーズ『VIP グローバル・サーキットの社会学』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 価値という言葉が何回も何回も出てくる。 個人的には、市場の原理が働く世界における価値は「お金」と等価であると考えている。 障がい者が事故で…

矛盾の見つけ方

フラクタル構造の凄まじい点は、その応用力にある。 ある事象をフラクタル構造に当てはめ、相似していない部分が「矛盾」となる。 それだけである。 勿論、詭弁である可能性も高いので、これはあくまで手段のひとつとしたい。 (初めてこのブログに辿り着い…