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読書日記272

井良典『持続可能な医療 超高齢化時代の科学・公共性・死生観』ちくま新書(2018年)

を読む。

引き続き公益についてちびちびと考える。

 

 

 

導入部分と序盤をささっと読む。

医療費の費用対効果についてデータと共に、アメリカの健康について言及される。

アメリカは莫大な費用を医療費に投入しながらも、平気寿命は81歳程で、日本と比べると低い。

また著者は、アメリカは医療費の高騰化や、皆が平等に医療にアクセスできていない為、費用対効果に疑問を示す。

以上の点まで読み、僕は僕なりの感想を書きたい。

 

 

まず、アメリカの食に対する価値観と日本のそれはかなり違うと思われる。

アメリカの肥満率は40%程度で日本は5%弱。

これは何を意味するのだろうか。

健康に対する意識の違いだろうか。

そうかもしれないが、事は単純でもない。

 

 

例えば、個人的にアメリカは「太く短く」な人生を選択しているようにみえる。

人生を存分に楽しもうじゃないか、という価値観が多少なりとも日本より強いのではないだろうか。

 

 

日本は、全体的には和を尊重しているようにみえる。

つまり、生き方としては自分本位ではなく、まわりのことにも気をつかう。

それが今日の、平等な医療へのアクセスを可能にしているように僕は感じた。

 

 

何が正しいのかは、恐らく文化による。

日本の価値観を尺度とすれば簡単にアメリカを批判することはできる。

しかし、それは安易だ。

 

 

つづく