アシュリー・ミアーズ『VIP グローバル・サーキットの社会学』のつづきを読む。
価値という言葉が何回も何回も出てくる。
個人的には、市場の原理が働く世界における価値は「お金」と等価であると考えている。
障がい者が事故で亡くなり、賠償金があまりにも少なく、「命の価値」という言葉が生まれた。
個人的には、市場の原理の文脈において、価値はお金になってしまうのだから、張り合っても無意味だと感じてしまう。
裏を返せば、「命の価値」に格差があることを認めることは、命はお金の尺度ではかられるものだと認めてしまうことではないだろうか。
若さは価値であるという通説も然り。
市場の原理においては、若さはお金にしかならない。若さの価値にうろたえる人たちは、価値という言葉に何か神秘的なものを意味付けしているようにみえる。
価値とお金は切り離せるか。
これは哲学的な話とつながる。
現時点で僕は明確な意見を持ち合わせていない。
推薦図書:ヒラリー・バトナム『事実/価値二分法の崩壊』
つづく