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読書日記254

本あんり『異端の時代 正統のかたちを求めて』岩波新書(2018年)を読む。

反知性主義の先に何があるのか?というテーマのもと、現代社会の「正統」と「異端」を宗教的な背景を鑑みながら洞察する内容となっている。

 

 

ポピュリズムや民主主義に関する本はいろいろと読んできたが、読んでも読んでもなかなか実態が掴めないところが政治の奥深さであり、人間の奥深さであると個人的には考えている。

 

 

序盤では丸山眞男氏の「正統」に関する考え方を考察する。

ところが話は複雑に込み入っている。

というのも、著者によれば、丸山氏は福沢諭吉に影響を受け、福沢諭吉は海外の文献 (ギゾー等) に影響を受けている。それぞれの立場を明確にするには労力を費やさねばならない。

 

 

僕は端的に、主な結論のみをざっくりと理解することに務めた。

著者は和辻氏の文章を引用し、キリスト教と仏教の違いを明確化した。

キリストにはカノン(正典)があり、排他性を持つが、仏教にはカノンが存在せず、排他性もない。

故に、宗教的基盤のない日本には市場の原理における「価値」を超越する「価値」が無いとされる。

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政治を説明するには歴史背景も理解しなければならないことを再確認した。

トランプ大統領が誕生したのは、アメリカでは自力で這い上がった人を重んじる国民性による影響もあるとされる。

 

 

日本ではポピュリズムアメリカほど機能しないと思われるが、その根本的な原因は政治への諦めであったり、成金と言われる人に対する嫌悪であったりと、いろいろ考えられる。

現代日本における「正統」とはなにか、本書を通して思いを巡らせたいと思う。

 

 

つづく