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読書日記281

木清『三木清大学論集』講談社学芸文庫

を読む。

三木清ソクラテスの話を引用しながら、「哲学は政治ではないにせよ、教育でなければならない」と言う。

 

 

ソクラテスはひたすら真理を求めた。

三木氏は、彼は真理や価値観を押し付けることなく、ただひたすら問いつづけるその姿勢が「本質的に教育者」であったと書いている。

 

 

現代の哲学はどうだろうか。

書店に行けば、現代哲学のコーナーにおいては、なにやら難しい言葉をかき集めたような本が異様に溢れている。

三木氏は「学」と「教」を区別する。

教えるためには勿論「学」の基礎づけは絶対的に必要である。

 

 

池田氏は難しい言葉の無意味性を語っていた。

社会学者の上野千鶴子氏も同様のことを書いている。

個人的には、今日の哲学はなにかを批判するための学となっている節があると感じる。

そこに「教」の精神はあるのだろうか。



また、入門と謳っておきながら何を言いたいのかさっぱり分からないような本も多数僕は遭遇してきた。

池田氏は入門書の類いに関しては「それで何を分かったことになるのか」と嘆いていた。

 

 

僕は教育と哲学の接合点に関心がある。

三木氏の言葉はそれを後押ししてくれるように感じた。

 

 

つづく