松岡正剛『理科の教室 千夜千冊エディション』と、
池田晶子『考える日々』のつづきと、
亀山郁夫『人生百年の教養』のつづきを読む。
木を見て森を見ず。
しかし、その木も100年単位でわずかに身長が伸びていく。
木を見ても見えないものがある。
だからといって、木の内部で化学物質がのろのろと動いているわけでもない。
生物を人工的に産み出すことができないのは技術的な問題の他に、時間の問題が関わっているようにみえる。
卒業してからは化学に弱くなってしまったが、たしか、分子はとてつもない速度であったはずだ。
木の成長スピードが遅く見えるように、おそらく分子から見れば人間の動きも木のようにおそいのだろう。
なぜこのような話を書いたのかというと、人間の脳も実はとてつもないスピードで動きまわっている物質があって、それを実験で捉えることができるのだろうか、という疑問がある。
神経の伝達速度は秒速120mらしい。
とはいえ、細胞が何億個もあるのだから、とてつもなくカオスではないか。
にも関わらず、相変わらず私はぼーっとしている。
なぜ、とてつもなくカオスな人体を従えていると思われる、この脳みそであるかもしれない私の「意識」はかくも穏やかでのろまなのだろうか。
不思議だ。
つづく