岡本太郎『原色の呪文』のつづきを読む。
岡本太郎は、「芸術は心地よくあってはならない」「きれいではあってはならない」と語る。
文化というものは人類が積み上げてきた遺産である一方、現代人はその上に乗っかってあぐらをかいていると語る。
別の本においても、岡本太郎は「積み上げ」を否定している。
文化には積み上げが必要ではあるが、一方では「積み下げ」も逆説的に必要であるというジレンマ。
岡本太郎が現役バリバリの頃は先日の読書日記にも触れた通り、「キュビスム」の隆盛期であった。
勿論、万人受けするような芸術作品ではなかった。
セザンヌは「気ちがい」と揶揄したほどである。
岡本太郎は展示会に足を運び、ピカソの絵を観てセンセーショナルなものを感じたと感想を書いている。
芸術は破壊と創造の反復。
アンチテーゼを突きだし、弁証法のように時代をつくっていく。
そういうものが芸術の本質であるという、岡本太郎の考えをまたひとつ吸収することができた。
芸術というものはもっと一般的な概念であり、これは音楽にも文学にも言えることであると個人的には感じている。
つづく