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読書日記30

田誠広『マルクスの逆襲』(集英社新書2009年)を読む。

東大紛争の時代に、何故若者がマルクスに魅了されていたのかを解明する本である。

半分ほど読み進めた。

 

 

社会主義ユートピアのように見えていたのは、不都合な情報が日本にまで行き届いていなかったからともされる。

自由と資本主義がセットのように、社会主義においては言論などに制限がかかる。

今の中国や北朝鮮と同じように、悲惨な現実が可視化され得なかった、というのがひとつであった。

 

 

また、社会主義の欠点として、プロレタリアートのなかの指導者的な人物が仮に政権を乗っ取ったところで、彼らが「幹部」となり、幹部が贅沢な暮らしをするのが常であるので、君主と変わらない、という指摘もあった。

今日は基礎的なものを吸収できたように思う。

 

 

上野千鶴子ナショナリズムジェンダー青土社1998年を読む。

上野氏によれば、歴史というものは無限に解釈され再構成されつづける言論の場であるという。

つまりは、歴史は可変的ということになる。

 

 

会社レベルでも、優位な位置にいる人間にとって都合の良いようにデータが改竄されることはいくらでもあった。

歴史も「データ」の総体のようなものであるから、そこに改竄を究明する余地はあると考えるのが普通である。

従軍慰安婦問題はその一部であるだろう。

上野氏は、「男性」という優位な位置にいる人間にとって何が都合の良いデータであるかを、人生を賭けて解き明かすことに注力した人物であると僕は感じている。

 

つづく