読んだ本
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メモ
ゲヴァルト・・・ドイツ語で暴力の意
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日記
高橋和巳という人物についてもっと知りたく本書を読む。
三島由紀夫との対談が印象的であった。
倫理と政治は永遠に人間に課される問いである。
三島由紀夫は倫理を分析すると政治を考えざるを得ないと話す。
倫理はミクロ的、政治はマクロ的なものであり、論理構造としては両者とも相似的であるからだ。
・・・
政治家が信用ならない、学者も信用ならない。
それは言うことがひっくり返るからである。
安保闘争の際、学者はある程度信用できるものであったが、それが見事に崩れ去ってしまったと高橋和巳は話す。
それは三島由紀夫、石原慎太郎の文学の根底にあった「身体性」の問題に繋がる。
・・・
信用できないということは、そこには保身があるということである。
金持ちが正義についていくら論じても庶民は納得できないのは、そこにお金の問題がひっかかるからだと三島由紀夫は話す。
それは当然と言えば当然である。
政治家は相対的に給料が高いので、権力とお金で自分の命を懸けてまで物事に取り組む人が存在し得ないからである。
要するに、倫理の極限世界とは、命が尽きるか尽きないのかのギリギリの世界まで自身を引きずり下ろさねばならない世界である。
そういう深い問題意識を彼らはだいぶ若い頃から持っていただろうし、今日の平和な日本のなかの文学のあり方について非常に考えさせられた。
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関連図書
高橋和巳『憂鬱なる党派』