シルバー民主主義という言葉がある。
端的に言えば、高齢化社会においては、票の分母が若年層よりも高齢層のほうが多いので、票数が命取りになりかねない政治家はとりあえず高齢層に支持される政策を掲げ、それにより若年層は不利になる、が通説だ。
まず、その前提を疑う。
僕もこの問題を掘り下げるにはファクトチェックをしなければならない。
まず頭の整理をするためにこの記事を書く。
そもそも人は皆「利己主義」なのか?
リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』がベストセラーになったが、この説を批判する学者も当然いる。
若者のためを思って投票している高齢の方を無視してはいけない。
逆に、高齢の方を思って投票する若者も無視してはいけない。
投票行動に関しては、マクロ的なデータはある程度存在するにしても、まだまだ研究の余地は多いだろう。
シルバー民主主義という言葉は「親ガチャ」と同程度あいまいな表現である。
言葉を使う際、そのことについて本当に理解しているのかどうかは大事である。
例えば「親ガチャ」という言葉を使う人は、発達心理学を理解しているだろうか、ジニ係数を理解しているだろうか、社会心理学を理解しているだろうか、経済的側面から見た格差原理を理解しているだろうか。
何事も「調べる」ことは大事だ。
僕も安易に「シルバー民主主義」という言葉は使えない。
つづく