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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記510

今日読んだ本: 久住邦晴『奇跡の本屋をつくりたい』ミシマ社 森田邦久『量子力学の哲学:非実在性・非局所性・粒子と波の二重性』講談社新書 モーリス・ブランショ『文学空間』現代思潮新社 西山雄二『異議申し立てとしての文学ーモーリス・ブランショにお…

いいねを受容せぬもの

メルカリの「いいね」とは、一度出会ったもの同士を繋げる。 登録としての機能である。 しかしながら、彼らは登録されたものを絶えず参照することなしにそれらを必要とすることはない。 本当に必要とするものを、彼らは絶えず参照することはない。 言い換え…

読書日記509

今日読んだ本: モーリス・ブランショ『文学空間』 梶村啓二『古典とケーキ』 西山雄二『異議申し立てとしての文学ーモーリス・ブランショにおける孤独・友愛・共同性』御茶の水書房 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

読書日記508

今日読んだ本: 島田潤一郎『あしたから出版社』ちくま文庫 池田晶子『無敵のソクラテス』新潮社 モーリス・ブランショ『文芸時評1941-1944』水声社 岡本太郎『自分の中に毒を持て』青春出版 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

島田潤一郎『あしたから出版社』読了

一人で出版社を立ち上げる。一人で書店を開く。 普通に考えて、そういうのは業界でしばらく正社員として働いた人でないとできるはずない。 この方は例外で、TSUTAYAでバイトをしながら小説家を目指していた。 そんな経歴が書かれていたので気になって読んで…

読書日記507

今日読んだ本: リチャード・パワーズ『黄金虫変奏曲』みすず書房 アレクサンダー・ゴットリープ・バウムガルデン『美学』講談社学術文庫 島田潤一『あしたから出版社』ちくま文庫 クロード・ピショワ/ジャン・ジーグレール『シャルル・ボードレール』作品社…

読書日記506

今日読んだ本: ライナー・マリア・リルケ『芸術と人生』白水社 アンソニー・グラフトン『アルベルティ:イタリアルネサンスの構築者』白水社 ニーチェ『ニーチェ全集5 人間的、あまりに人間的』ちくま学芸文 仲正昌樹『<ジャックデリダ>入門講義』作品社 岡…

読書日記505

今日読んだ本: 辻山良雄『小さな声、光る棚:新刊書店titleの日常』幻冬舎 岡本太郎『自分の中に毒を持て』青春出版社 ランボー『対訳ランボー詩集』岩波文庫 ロマン・ヤコブソン『ヤコブソンセレクション』平凡社ライブラリー アントワーヌ・コンパニョン…

読書日記504

今日読んだ本: アンソニー・グラフトン『アルベルティ』白水社 フィリップ・ソレルス『バタイユと友たち』別冊水声通信 トマス・ウルフ『天使よ故郷を見よ』講談社学芸文庫 秋嶋亮『無思考国家』白馬社 モーリス・ブランショ『焔の文学』紀伊國屋書店 テリ…

読書日記503

今日読んだ本: モーリス・ブランショ『モーリス・ブランショ政治論集1958-1993』月曜社 秋嶋亮『無思考国家』白馬社 ジョルジュ・バタイユ『文学と悪』 ニック・ランド『絶滅への渇望 : ジョルジュ・バタイユと伝染性ニヒリズム』河出書房新社 現代詩手帖『…

読書日記502

今日読んだ本: クロード・ピショワ/ジャン・ジーグレール『シャルル・ボードレール』作品社 中川淳一郎『よくも言ってくれたよな』新潮新書 スーザン・ソンタグ『こころは体につられて (下) 日記とノート1964-1980』河出書房 アントワーヌ・コンパニョン『…

読書日記501

今日読んだ本: ルース・バトラー『ロダン:天才のかたち』 ワーグナア『芸術と革命』 中地義和『対訳 ランボー詩集』 ロマン・ヤコブソン『ヤコブソン・セレクション』 中川淳一郎『よくも言ってくれたよな』 和田秀樹/中野信子『頭のよさとは何か』 ニック…

読書日記401~500

nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.ha…

読書日記500

ルース・バトラー『ロダン : 天才のかたち』のつづきと、 ヴィクトール・ユゴー『ノートルダム・ド・パリ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 午前中はユゴーの小説を読み、午後はひたすらロダンの評伝を読み込んだ。 30代のロダンは苦痛の時代…

読書日記499

ルース・バトラー『ロダン : 天才のかたち』白水社 (2016年) 、 ロザリンド・E・クラウス『アヴァンギャルドのオリジナリティ : モダニズムの神話』月曜社 (2021年) 、 ヴィクトール・ユゴー『ノートルダム・ド・パリ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatena…

読書日記498

ライナー・マリア・リルケ『芸術と人生』白水社 (2022年) 、 モーリス・ブランショ『アミナダブ』書肆心水 (2008年) 、 ヴィクトール・ユゴー『ノートルダム・ド・パリ』岩波文庫を読む。 詩人リルケの芸術に対する高い関心がみてとれた。 本書において、リ…

読書日記497

ジャン・パウル『美学入門 新装復刊』白水社 (2010年) と、 ディケンズ『大いなる遺産』新潮文庫のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com カントは美を次のように定義した。 「美とは、概念なしに普遍的に満足を与えるものである」P46 概念はある表象…

読書日記496

スーザン・ソンタグ『こころは体につられて: 下』河出書房新社 (2014年) 、 『ブランショ生誕100周年 : 次の百年の文学のために 現代詩手帳特集版ブランショ2008』思潮社 (2008年) 、 里中李生『私は昨日まで日本を愛していた』イースト・プレス (2021年) 、…

ゲルハルト・リヒター展

本日、東京国立近代美術館へ行った。 ゲルハルト・リヒターについては『ゲルハルト・リヒター評伝』で軽く予習した。 nainaiteiyan.hatenablog.com 人生で初めて美術館に自らの意志で足へ運んだ。 「ビルケナウ」をじっくり観た。暗い配色。赤はドイツにとっ…

読書日記495

モーリス・ブランショ『来るべき書物』ちくま学芸文庫 (2013年) 、 郷原佳以『文学のミニマル・イメージ:モーリス・ブランショ論』左右社オンデマンド・ブックス (2021年) 、 ディートマー・エルガー『ゲルハルト・ヒリター評伝』美術出版社 (2018年) を読む…

読書日記494

酒井健『バタイユ』青土社 (2009年) と、 ジョルジュ・バタイユ『文学と悪』ちくま学芸文庫 (1998年) を読む。 簡単に頭に入ってくるものは簡単に忘れる。 では逆に難しいものほど記憶に残る、これは正しいのだろうか。 今日も2時間かけてバタイユに挑む。 …

アーザル・ナフィースィー『テヘランでロリータを読む』読了

こちらを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 終わりまで約600ページ。 非常に長い回想録であった。 外国文学に不馴れな私には登場人物の相関図や物語の輪郭を捉えきれることはできなかった。 ただひたすら「文学の力」という一点に絞って著者の精神を…

言葉の力

『テヘランでロリータを読む』を読むと、書物が部分的に発禁となっていたことが分かる。 これは形は違えど、「承認」に他ならない。 つまり、政府が言葉の力を恐れているということ。 何故なら、書物は言葉の集積であるから。 言論とは何か。 言論の自由とは…

読書日記493

アーザル・ナフィースィー『テヘランでロリータを読む』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 1日中じっくり読み進め、460ページまでたどり着いた。 少しずつ当時のイランがどれほど悲惨だったかがこちらにも伝わってくる。 まず憲法について。 わ…

読書日記492

アーザル・ナフィースィー『テヘランでロリータを読む』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今日も意識は飛ばしながらもページはとばさずに4時間じっくり、340項まで読み進めた。 先生はある種の諦めを抱く。 ジハードとはいったい何なのか。 い…

読書日記491

アーザル・ナフィースィー『テヘランでロリータを読む』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 4時間ほど時間をかけてじっくり260項まで読み進めた。 フィッツジェラルドのギャツビーについて先生たちは議論する。 イスラーム革命について全く無知で…

読書日記490

大森晋輔『ピエール・クロソウスキーの現在』水声社 (2020年) と、 バタイユ『有罪者 無神学大全』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 二週間ぶっ通しでプラトンの本を読み込んだ為、疲れがたまってしまった。 今日の午前中はほとんど何もできな…

宇佐見りん『推し、燃ゆ』読了

自分よりひとまわり年下の、若い女性が書いた小説が芥川賞を取った。 最近知り、本屋で購入し今日の午後いっきに読んだ。 話は随分逸れるが、昨日何気なく落合博満のオレ流チャンネルを観ていた。 最近の世の中に思うことはありますか、とインタビュアーは聞…

プラトン『法律 (下) 』読了

昨日のつづきから読み進め、なんとか読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com (↑↑クリックし続けると「読書日記192」、プラトン『国家 (上) 』の最初の要約のページにたどり着きます。) 420項以降は法廷の分類や控訴、上告について細部にわたって語られ…

読書日記489

プラトン『法律 (下) 』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 前回は341項までまとめたので、今回はそのつづきを追っていく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 契約に関することが語られた。 契約の不…