『テヘランでロリータを読む』を読むと、書物が部分的に発禁となっていたことが分かる。
これは形は違えど、「承認」に他ならない。
つまり、政府が言葉の力を恐れているということ。
何故なら、書物は言葉の集積であるから。
言論とは何か。
言論の自由とは何か。
何故人は言論の自由を勝ち取ったのか。
もう一度問いたい。
言葉の力を。
文学の力を。
人は言葉でしか成り立ち得ない。
人は概念や抽象では成り立ち得ない。
何故ならば、概念は言葉の束であり、抽象も言葉の変容体であるから。
言葉は無力か。
文学は無力か。
否。
政府は言葉を恐れている。
言葉は唯一の可能性。
言葉を失うこと、すなわち人間性を失うこと。
つづく