本日、東京国立近代美術館へ行った。
ゲルハルト・リヒターについては『ゲルハルト・リヒター評伝』で軽く予習した。
人生で初めて美術館に自らの意志で足へ運んだ。
「ビルケナウ」をじっくり観た。
暗い配色。赤はドイツにとってあらゆる暗闇を内包する象徴的な色。
アブストラクトと書いてあった通り、確かに抽象的な絵であった。
近距離で観たり、離れて観てみたりした。
印象は多少変わったが、部分と全体の関連性がさっぱり分からなかった。
綺麗と言えば綺麗。
しかしただ綺麗と片付けて良いものか。
モーリス・ブランショが作品と作者の独立性について語っていたことを思い出した。
この作品にはメッセージがあるのか。
この作品は象徴なのか。
この作品は象徴に意図を混ぜてあるのか。
素人がいくら考えても分かるわけがない。
芸術哲学を勉強しても、ただ現前する作品を前に、私はただ突っ立っているだけ。
ただ、やはり物足りなさを感じたことは間違いない。
また美術館に行きたい。
つづく