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読書日記1135

読んだ本

鈴木涼美『娼婦の本棚』中公新書ラクレ (2022)

松岡正剛『物語の函 千夜千冊エディション』角川ソフィア文庫 (2020)

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日記

 

鈴木涼美氏の本を久々に読んだ。非常に語彙力が豊富で表現も豊かな印象を抱いた。正直なところ、レベルの差を見せつけられるほどであった。研磨されたような文章という感じがして、日本語の可能性というものを感じさせられた。学者のような、内容を端的に述べる論文とは違う。なんとも言えない感覚である。自分の語彙力のなさにうんざりである。

 

 

この方の強さが自分にはなんとなく伝わった。この方は自分の感情を豊富な語彙力で細かく表現できるために、良い意味でも悪い意味でも客観的に、かつ正確に自分を眺める能力が備わっている。そのため感情の起伏が激しいときも自分の気持ち、感情、気分が言葉によって確実に掴めることによって、最後まで自分というものを離さなかったのかもしれない。

 

 

本人も、本書のなかで言葉の力によって自分を維持できていることを書いている。

鈴木氏は痺れる文章を見つけては付箋で記録しているのだそうである。

ひとつひとつの力強い言葉が身体に染み込んでいく。塵も積もれば山となるだ。

言葉の力は目に見えないが、蓄積された言葉の山は強力なエネルギーを発揮することを再度思わせられる。

 

 

・・・

 

松岡正剛氏の本を読むと文体の違いをすぐ実感できる。

ああ、男の文章だなという感じた。

松岡氏の読み方も独特で、小説を読んでは図解したくなるのだそうである。

変わった読み方だ。

しかし本の楽しみ方、読み方は千差万別だ。

 

 

誰かが書いていたことと似たようなことを書く人は多いが、誰一人として全く同じというわけでもない。

あんな人やこんな人。

読めば読むほど人間の多様性、奥の深さを感じさせられる。

 

 

松岡氏はエミール・ゾラ『居酒屋』を絶賛していた。一日10時間以上執筆をしていた超人である。

急にゾラを読んでみたくなってしまった。

 

 

つづく

 

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