読んだ本
つづきを読みすすめた。
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メモ
なし
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日記
300ページにたどり着くまでに4時間ほど費やしてしまった。
抑うつ気分はなんの役に立つのか、という問いを「自然選択」から説明しようと試みたが、突然変異から起きる現象を説明しきれず、それでは十分でなかった。
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著者は精神疾患が起きる原因を、「法則」に還元されるものと「物語」に還元されるものに区別した。
物語は定性的なデータ、主に患者個人の「自分史」に基づく。
著者は、後者は治療過程においてほとんど考慮されていないことに違和感を抱く。
「自分史」のなかで共通する人間の行動や特性について、進化論と照らし合わせながら考察をしていった。
たどり着いたのは「群選択」からできる説明であった。
血統関係以外の個体に対する利他性を説明できるのは群選択であった。
ざっくり説明すれば、利他性のある集団が長期的に有利に働いたので、そうでない集団は淘汰されていったという見方である。
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見返りを期待し、計算機のように弾き出してから利益が出ると判断すれば利他的になる者や、初めから見返りを期待せずに利他的に行動を行う者もいる。
囚人のジレンマの戦略ではしっぺ返しが得策とされている。
ひとつの可能性として、しっぺ返し的な生き方を遠い先祖はしてきたのではないか、という見方もできる。
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著者は「自分史」と精神疾患を考えれば考えるほど結局進化論のほうにたどり着くと書いている。
本書は様々なトピックと繋げることができるように思う。
ひとつはモースの『贈与論』との関連性であり、もうひとつはカントの道徳法則である。
前者は群選択の延長線上にあるか。
後者は延長線上にありながら、さらに集団の成長を進歩させ得る法則となり得るのか。
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