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読書日記1041

読んだ本

五野井郁夫/池田香代子『山上徹也と日本の「失われた30年」』集英社 (2023)

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日記

 

心理学者や社会学者は犯人の経歴を見て様々なことを分析し、「こうじゃないか」「ああじゃないか」と語られることに嫌悪を示す人がいることは十分承知であるが(プライバシーの問題等)、やはりどうしても無視せずには事件を語ることはできないと思われた。

 

 

アーレント『責任と判断』では、アイヒマンの立場にもし自分が立っていたならばどう行動しただろうか、という問いに対して「ミルグラム実験」という壁が立ちはだかることが示唆された。

勝手な推測であるが、「凡庸な悪」という言葉には「私たちも同類だ」というメッセージが暗に込められているのかもしれない。アイロニーのようなものだ。

 

 

また、山本七平の「空気」の研究や小室直樹による宗教社会学など、各方面の研究者の書籍によって、集団の行動でさえも何らかの法則が働いていることが示唆された。

小坂井敏昌『責任という虚構』においては、リベット実験によって人間の意志はごくわずかにしかないことが紹介された。

 

 

これを踏まえてもなお「全て自己責任です」と言えるかどうか。

仮に全てが自己責任ではないにせよ、その責任はどこにたどり着くのか。

このまま責任が空中に浮いたまま、また同じことが繰り返される可能性が高い。

 

 

犯罪を未然に防ぐ措置として、不条理にも何重もの苦しみを背負った人間に対してなにかできることはないだろうか。

 

 

人間は集団に対して非力であるばかりではなく、自分自身に対してでさえも非力であること、加えて、人間の行動は絶えず偶然性のなかに嵌め込まれているのではないかと思わせれ、恐ろしさを感じてしまった。

それに抗うのはカントのように自分自身に対して、確固たる命令(=定言命法)を与えるほかないのだろうか。

 

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