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読書日記344

ヴィナス『全体性と無限』のつづきと、

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佐藤義之レヴィナス「顔」と形而上学のはざまで』講談社学術文庫(2020年) と、

赤坂憲雄岡本太郎の見た日本』岩波現代文庫 (2020年) を読む。

 

 

レヴィナスの難解さに苦戦したが、赤坂氏の解説により論文の方向性は確認することができた。

レヴィナスは「存在論」と「倫理学」を統合させようと考えいたようにみえた。

のちにJ・デリダに理論の穴を指摘され『存在の彼方へ』にて修正をする。

 

 

岡本太郎の自伝的な本を見つけたので読むことに。

なかでも、パリ留学時にバタイユと交流していたことを知る。

当時はヒトラームッソリーニの台頭でざわめく世の中であった。

岡本太郎は秘密結社を結集し、バタイユらと議論交わす。

 

 

岡本太郎は「承認」を欲しがっているバタイユに見切りをつけようとした時に手紙を送ったそうである。

承認が成立した瞬間に自己という存在が解消されてしまうと岡本太郎は考えていた。

「絶対存在」

当時のパリには500人程度の日本人がパリで絵を描いていたのだそうだ。

ほとんどの人間が日本に帰って一発当ててやろうと、「功利的」な野心を持っていることに岡本太郎はうんざりした。

 

 

岡本太郎は、「承認」によって時代に規定されるような「相対人間」にだけはなりたくないという、奥の深いエピソードであった。

 

 

 

 

つづく

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バタイユは読解中)

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