個人的には、「この本おすすめなので是非読んでください!!」と言える自信がない。
そして、「どんな本がおすすめですか?」という質問にも答えることが難しい。
音楽とは違う気もしないでもない。
音楽よりも、本のほうが人生を変える力があるようにはみえる。
しかし、だからといって音楽よりも価値があるとは思えない。
この複雑性が妙だ。
人には「スキーマ(ピアジェでいえば「シェマ」)」という、簡単には変わらない価値観を支える「根っこ」のようなものがある。
これがとても厄介。
私がおすすめした本は、Aさんから見れば「くだらない」かもしれないし、Bさんから見れば「感動もの」であるかもしれない。
ただ本をすすめるだけでは、ベイトソンの学習理論のようにはいかない。
おすすめとは何か。
哲学的にそんなことを考えてしまう。
端的に言えば、結局「人それぞれ読みたいものを読むべし」に終始してしまう。
最近はYoutuberや、Tiktoker、ブロガー等、様々な人が本を紹介する。
本の市場が活発になることは嬉しい。
出版業界は社会のインフラだ。
しかしながら、部分的には「ポジショントーク」があることも間違いない。
そして、インフルエンサーであれば影響力も甚大だ。
だからこそ、「洗脳」に近い現象も自然と発生する。
ここが厄介だと個人的には思う。
だからこそ、敢えて主張したい。
自由に読みたい本を読んでいきましょう、と。
つづく