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読書日記1115

読んだ本

グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (上) 』岩波文庫 (2023)

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日記

 

月曜日は体力がありあまっている。

しかし月曜日に気合いを入れて読むと後半に失速するので、今週はまずだらだらとゆっくり読むことにした。

『精神の生態学』は県内最大級の図書館に行かなければ読めない状態にあった。

そこでようやく文庫化されたということで、これを企画した人に感謝したい。

 

 

・・・

 

本書では、ベイトソン帰納法の不完全性に対して言及している。

小坂井敏晶氏の本にも書いてあったが、帰納法は科学哲学的にも無能扱いされている。

"科学の基本原理はすべて経験から、帰納的に導き出されたものなのだから、今後とも機能的なやり方で、じっくりと本源的なレベルをうかがっていけばそれでよいのだ、と。この点にわたしは疑問を投じたい。科学における根底的な知というのは、そもそも帰納的に導き出されたものなのだろうか。" P32

 

 

読んでいくうちに、ベイトソンは実体の世界に関わることと形式に関わることを区別するように促しているように感じた。

概念というものは往々にして形式的であることが多く、そこに実体が伴わない場合もあると思われる。

 

 

その後エントロピーの話にうつった。

片付いている部屋とそうでない部屋について親子で対話が行われる。

片付いているパターンの配列は数少ないが、散らかっているパターンはほぼ無限に存在する。

散らかっている(無秩序)状態に近づいていくこと(エントロピーの増大)が確率と統計に大きく関わっていることがうまく表現されているようにみえた。

 

 

しかし『精神の生態学』の後半は難しくなっていき、途中で挫折してしまった。

新訳のためか読みやすくもある。この機会に、今度は読み通せればいいなと感じた。

 

つづく

 

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